ダイワボウノイ/「ドラロン」好発進

2008年02月27日 (水曜日)

初年度売上高1億円計画

 ダイワボウノイがこのほど商品化をスタートさせた独ドラロン社の乾式アクリル「ドラロン」が順調な滑り出しをみせている。08春夏でもダイワボウアドバンスの「ハンテン」ブランドのほか、大手GMS(総合小売業)数社が採用を決めた。08秋冬に向けてダイワボウレーヨンの機能レーヨンとの複合素材も開発が進む。同社では初年度売上高1億円、3年後3億円を見込む。

 ドラロンは、乾式アクリルの特徴を生かしたドッグボーン断面アクリルわたで、高い毛細管現象を発現させることで吸汗速乾性に優れる。ダイワボウノイでは、これを和歌山工場のオープンエンド(OE)精紡機で紡績し、綿との混紡・交編してカジュアルニット用途で展開する。OE紡績の特徴であるハリコシ感、ドライタッチが特徴だ。

 すでに08春夏ではダイワボウアドバンスの「ハンテン」ブランドのほか、大手GMS数社が裏起毛スエットなどで採用を決めた。またスポーツアパレルともTシャツやポロシャツで採用に向けた商談が進展中だ。そのほか、成型インナーでの商品化も計画する。いずれも海外の編み立て・縫製拠点である蘇州大和針織服装や大和紡工業〈蘇州〉を活用して製品納入する計画だ。顧客の間でも紡績から製品までの一貫生産体制への評価が高い。

 また、08秋冬に向けて、グループ会社であるダイワボウレーヨンの機能レーヨンとの複合化も進める。カルボキシル基練り込みレーヨン「パラモス」や牛乳タンパク練り込みレーヨン「ミレー」との混紡で機能性、吸湿発熱性を訴求する。こちらは、インナー、アウターのほか、織物にして寝装側地やカバー類での展開も予定する。

 織物に関しては、出雲工場での製織を予定しており、薄地を中心に寝装側地、カバー類で展開するほか、将来的には中肉厚地でアウターやパンツ地にまで用途拡大を検討中。ダイワボウノイでは、これら販路開拓で、現在は糸換算で年産200コリ~300コリ、製品換算で約20万枚のドラロンを将来的には3倍規模まで拡大する考えだ。