変化に挑む・在上海の日系検査機関(2)中国内販用試験を強化
2008年02月13日 (水曜日)
中国国内販売用の取り扱い額比率が、一般的にはまだ数%(金額ベース)以下にとどまっているケースが多い中で、伊藤忠ファッションシステム(ifs)を母体とする検査会社、上海中紡伊紡織技術検験服務(ifst)では2割と、比較的高い。同社は、06年に「計量認証合格証書(CMA)」を取得し、中国内販品に関する試験機関資格を得た。2005年取得のCNAL(中国実験室国家認可委員会)認証と合わせて、中国における日系試験検査機関として初めて、中国内販商品の品質検査を1社完結型で行うことが可能になった。吉田功総経理は、中国国内向けをさらに拡大することを今後の課題とする。
日本化学繊維検査協会(カケン)の中国法人企業、上海科懇服装検験修整も、中国国内向け商品の検査を強化している。東村崇総経理によれば、試験対象商品の仕向地別内訳(金額ベース)は日本が95%強を占め、中国国内向けは5%弱。5、6年前から国内向け商品の試験を行っており、毎年徐々に増えているという。中国の「紡織品基本安全技術要求(GB18401―2003)」は日本より厳しい規定となっていることに加え、日本の大手アパレルが中国内販に力を入れていることなどから、内販用商品の自前による検査の強化が課題になる。
日本紡績検査協会(ボーケン)上海試験センターの岡田俊朗所長(ボーケン常務理事)によれば、中国国内販売用の割合はまだ数%(金額ベース)にとどまり日本向けが圧倒的だが、今後力を入れるべき分野とする。同センターは、上海出入境検験検疫局と提携しており、国内販売用については同局が証明書を発行する体制をとる。