上海カケン/検査速度の向上へ 中国国内対応を強化
2008年01月18日 (金曜日)
【上海支局】日本化学繊維検査協会(カケン)の中国法人企業、上海科懇服装検験修整は、中国国内向け商品の検査強化と検査速度の向上を図り、機能の向上を進める。
東村崇総経理によれば、試験対象商品の仕向地別内訳(金額ベース)は日本が95%強を占め、中国国内向けは5%弱。5、6年前から中国国内向け商品の試験を行っており、毎年徐々に増えているという。件数は多いが、JIS試験によるデータの転記が多いため、金額の伸びがまだ伴ってはいない。
中国の「紡織品基本安全技術要求」が日本より厳しい規定となっていることに加え、日本の大手アパレルが中国内販に力を入れていることなどから、内販用商品の自前による検査の強化が課題になる。また、日本向けでのQRの動きが加速していることから、顧客からは検査のスピードアップ要望が強まっている。
2008年の課題として東村総経理は「内部改革」を挙げる。ポイントは人材育成で、サービスに対する日本的な考え方とスピード感覚をナショナルスタッフ(NS)に付けさせることを狙う。試験期間短縮の要望に対しても、対応できる組織に改編する。目標は、NSだけでも要望に対応できるようにすることに置く。上海科懇の従業員は約180人、うち日本人は13人。
カケンは、上海以外では青島、大連、寧波、無錫に各試験室を置く。これは中国法人ではなくカケンの海外支所。それぞれ現地の出入境検験検疫局と共同のスタッフも含んでいる。