伊藤忠商事・輸入繊維事業部/生活産業に商権拡大
2000年03月28日 (火曜日)
伊藤忠商事・輸入繊維事業部は、安定商権の確立に向けて「ブランドの多様化」と「生活産業分野への進出」を加速する。すでに(1)日本人デザイナーの登用(2)キャラクターブランドの導入(3)個性的な海外メーカーブランドとの提携-を推進中で、欧州で吹き荒れるM&A旋風に対抗する。
同事業部は営業部として伊藤忠全社でナンバーワンの地位を維持してきた。しかし、「ブランド・ライセンス事業を取り巻く環境は以前とは比べものにならないくらい厳しくなっている」(岡藤正広事業部長)と指摘する。
プラダ、LVMHなどに代表されるブランド・コングロマリットが欧州で買収合戦を繰り広げ、ライセンス契約を巡り既存秩序を破壊する動きが日本に飛び火し、ある日突然、商材が消えても不思議ではない環境にある。
このため同事業部は九八年(暦年)に八件、九九年に十件、今年も三月までに二件の新しいプロジェクトで契約を結ぶ一方、既存契約先5ブランドとのパートナーシップを強化するため、昨年百億円近い金額を出資などの形で投じてきた。
今後はブランドの多様化を進め、永澤陽一に代表される日本人デザイナー、「ノンタン」などのキャラクターや海外の個性的なブランドとの提携を強める一方、アパレルからテーブルウエアをはじめとした日常生活ファッション全般に商材を広げ、さらに百貨店など小売店との連携による商権の開発、安定化を図る。