伊藤忠商事繊維カンパニー/スポーツ分野事業に期待/各部門長が示す今期方針

2022年07月12日 (火曜日)

 伊藤忠商事繊維カンパニーは2022年度、スポーツ関連ビジネスの拡大を重点戦略の一つに位置付け、低重心経営から攻めに転じる姿勢を打ち出す(一部既報)。事業会社の強化に取り組む各部門長の方針は次の通り。

 【ファッションアパレル部門長・中西英雄氏】

 低重心経営を徹底しつつも、ビジネスモデルを進化させることが重要。その遂行に必要なのがマーケット・インの発想であり、SDGs(持続可能な開発目標)を組み込んだバリューチェーンの構築だと認識している。

 SDGsと関連した事業を推進するために鍵となるのが、独自の再生ポリエステル繊維「レニュー」。今春、国内での繊維製品の回収サービス「ウェア・トゥ・ファッション」に着手し、再生可能なポリエステルはレニューの原材料に活用する。既に大手アパレルなどから共感の声が寄せられ、今後の発展が期待できる。

 スポーツ分野への期待も大きく、デサントについては仕入れ競争力の強化、グループ内での取り組みを拡大していきたい。連結子会社化した「アンダーアーマー」のドームも、経営体制を整備した上で事業の拡大戦略を推進していく。

 【ブランドマーケティング部門長・武内秀人執行役員】

 1日付で、ブランドマーケティング第一部門とブランドマーケティング第二部門を統合した。今後は、ブランドマーケティング第一部・第二部と繊維資材・ライフスタイル部の三つの部で協業できそうな案件を打ち出し、さまざまな化学反応を起こしていきたい。旧各部門で得意分野など重複する部分もあるので、お客さまから見て分かりやすいように組織を入れ替えることも検討する。

 レリアンやジョイックスコーポレーションといった主力事業会社についても、回復、成長へと向かうよう経営を強化する。

 今期の目玉となるのが、国内の販売権とライセンス権を取得したスポーツブランド「リーボック」で、靴や衣料品の通販サイトを運営するロコンドと合弁会社を立ち上げた。10月から、ECを含めたロコンドの販売網を活用した国内展開に乗り出す。5年後には小売価格の売り上げ200億円を達成したい。