東レ合繊クラスター/3年ぶりの実展示会開催/環境配慮型素材を拡充

2022年06月16日 (木曜日)

 東レ合繊クラスターは15日から今日16日まで、スパイラルホール(東京都港区)で「第12回 東レ合繊クラスター総合展」を開催している。実展示会の開催は3年ぶり。今回は特にサステイナブルをベースに感性や機能性を付与した生地を拡充している。

 2010年から開催している総合展は、20年にオンライン開催としたが、オンラインでは生地の特徴を伝えにくいという声もあって21年は開催を見送った。実展示会は3年ぶりで、髙木義秀マーケティング推進部会長(福井経編興業社長)は、「久しぶりに実展示会を開催できてうれしく思う。開発の時間が長かったこともあって深堀りでき、その集大成を披露する」と話した。

 ファッション、スポーツ、カジュアル向けに加え、ユニフォーム向けやインテリア向けのコーナーも設けて幅広い分野に開発素材を提案する。今回展ではハンガーサンプル約400点、製品サンプル約100点を展示しているが、うち約150点が環境配慮型素材。再生ポリエステルやバイオマス由来のナイロン610など生地重量の50%以上に環境配慮型素材を使う「シンセティックマジック」を中心に、一部が植物由来原料であるPTT複合繊維を使って有機溶剤を使用しない撥水(はっすい)加工などを施した「ヴァーチャレックス」の幅広いバリエーションを紹介している。

 新商品では、防融加工素材を開発した。ポリエステル繊維表面を特殊樹脂で被膜して防融性を付与し、合繊の弱点であった火の粉の付着による穴開きを防ぐ。現在は織物での展開だが、今後編み物での開発も検討していく。