東レ合繊クラスター/DXとサステがポイント/海外市場の拡販注力

2022年06月07日 (火曜日)

 東レ合繊クラスターは今年度(2022年度)、海外市場での拡販やデジタル技術で企業を変革するDX、サステイナブル素材の開発などに重点的に取り組む。マーケティング推進部会を中心に海外市場向けの開発と拡販に取り組むほか、人材育成部会でDX推進に向けたシステム改善検討講座を実施する。

 新型コロナウイルス禍による制限が緩和されつつある中、今月に3年ぶりとなる総合展を東京で開催するほか、海外への拡販にも改めて注力する。

 海外はイタリアを中心に欧州を攻める考えで、宮本徹会長(丸井織物会長)は「欧米輸出が動きだしており、アウトドアや環境対応商品などが順調。円安を追い風に北陸の商品を拡大していくチャンス」とし、髙木義秀マーケティング推進部会長(福井経編興業社長)は「新型コロナ禍の下でも開発は進めてきた。メード・イン・ジャパンへの要望が増えており、これから欧州向けを大きく増やしていきたい」と話した。東レサポートメンバーの佐々木康次リーダーは「今年度は積極的に仕掛けたい。海外の展示会でも東レ合繊クラスターの商材を紹介していく」とした。

 宮本会長は産地の競争力強化に向け、DXとサステイナビリティーへの取り組みをポイントに挙げた。DXは個別の取り組みに加え、糸、織・編、染色加工が垂直連携したプラットフォーム作りを目指す。共同物流、共同購入についても「考えていくべき時期」とした。

 東レ合繊クラスターの21年度製品出荷額は170億円で前年比15%増となり、一昨年の数字も上回った。衣料用途が同20%増となる一方、非衣料は10%減だった。特にスポーツ・アウトドア用途がけん引したほか、ライフスタイルの変化に対応した商品などが好調で、環境配慮型ストレッチ素材「ヴァーチャレックス」などが伸びた。