バリア包装材開発/三菱ケミカルHD

2022年05月16日 (月曜日)

 三菱ケミカルホールディングスグループはナカバヤシ(東京都板橋区)、王子エフテックス(東京都中央区)、MIB(渋谷区)、長瀬産業(中央区)、旭洋(同)と共同で生分解性樹脂「BioPBS」を使用する食品向けバリア包装材を開発した。ナカバヤシが展開する環境配慮型製品のブランド「asue」のラインアップとして今年の夏から発売する。

 この包装材には袋の内面のシーラント層として同グループのBioPBSが使われている。BioPBSは環境配慮特性とともに優れた低温ヒートシール性、柔軟性を有しているため、食品などの包装材として採用が広がっているという。

 袋の外面には王子エフテックスの紙製バリア素材「SILBIOBARRIER」を採用し、生分解性のある素材を使いながら酸素、水蒸気、香気の透過を防ぎ、コーヒー豆のおいしさを保つことを可能にした。

 焙煎後のコーヒー豆は炭酸ガスを放出するため、一般的なコーヒー豆の袋では脱気用のプラスチックバルブを備え付けて袋内のガスコントロールを行っているのに対し、この包装材ではMIB、長瀬産業が共同開発した、包装材のシール部分に脱気機構を一体成形する「TiMELESS」技術を用いることでプラスチックの使用量削減にも貢献している。