ユニチカトレーディング/23春夏婦人は環境と感性・機能/PLAは複重層構造糸で

2022年04月26日 (火曜日)

 ユニチカトレーディングは、環境対応と風合いをはじめとする感性・機能面の両軸で23春夏向け婦人服市場を攻める。環境対応ではポリ乳酸(PLA)を本格展開し、感性・機能では新開発の生地などを提案する。サステイナビリティーは意識しながらも“一辺倒”ではない打ち出しで、存在感を示す。

 サステイナビリティー対応では、地球配慮型の素材群「エコフレンドリー」を展開している。同素材群には植物由来原料素材や再生ポリエステルなどをそろえるが、「リサイクルだけでは差別化が難しい」とし、「23春夏婦人服素材の環境対応ではPLAの『テラマック』の提案を強化」する。

 テラマックは、植物由来の糖から作られるPLAを原料としたバイオマス素材で、婦人服分野で本格的に訴求するのは23春夏が初めてという。芯部にテラマックを、鞘部に綿を配した複重層構造糸「パルパー」タイプを投入する。鞘部に使用する素材はウールなども活用できる。

 パルパータイプでの提案は消費耐久性などを考慮した結果とし、家庭洗濯100回後でも90%以上の強力を保持する。鞘部の綿とテラマックの両方を染色することで「ある程度の濃色を表現することができる」と話す。ジャケットインなど、肌に近い用途から広げていきたいとしている。

 感性・機能面では、サイドバイサイド型ポリエステル糸「ゼットテンNR」とジアセテートをエアー混繊した3次元構造生地「スターフレックス―NR」を新提案する。ジアセテート特有のドライなタッチとゼットテンNRのソフトなストレッチが特徴で、セットアップ用途などで提案する。

 そのほか、繊維表面に施した超微細な特殊凹凸構造で繊細な杢(もく)調の表情と吸水拡散性などを付与した生地「ジュフィーM」、マルチタイプのナイロン特殊加工糸を使用した生地「マックローリー」などをラインアップ。マックローリーは紳士やアウトドア用途で好評だが、婦人用途でも人気が高まっている。