帝人フロンティア/撥水と吸汗、相反する機能両立/23春夏一般ファッションから投入

2022年04月14日 (木曜日)

 帝人フロンティアは、表面撥水(はっすい)と裏面吸水性能を両立した生地「アクアリズム」を、23春夏一般ファッション向け主力商品として新たに投入する。ボトム、ポロシャツ、ジャケット用途での展開を想定。価格は1メートル当たり900~千円。2023年度に売り上げ5千万円、26年度に1億5千万円を目指す。

 アクアリズムは糸自体が撥水機能を持つ高耐久撥水原糸と、生地に凹凸を出す特殊マイクロクリンプ糸を採用した点が特徴。通常の撥水機能と同様、水を弾き、空気や水蒸気を放出する。原糸の撥水にはC6フッ素系撥水剤を使用しているが、今後非フッ素撥水剤も検討していきたいとする。肌面に当たる裏側には吸水、通気性を持つ生地を接結する特殊2層構造となる。

 23春夏一般ファッションから「究極の水処理素材」として売り込みを図る。当初は編み物を先行し、その後織物を追加していく。薄地から厚地まで対応でき、ファッション用途として張り感のある生地の風合いと着心地の良さで訴求する。

 同社の一般ファッション向け生地販売は、23年度約30億円の売り上げを見込む。現在、都内で開催中のファッションテキスタイル展示会(予約制)では、合繊素材が浸透していることを受けて、天然素材に近い風合いやイージーケア、エコ素材の活用といった方向性で開発した主力品群を紹介。高い撥水性を持つ「ミノテック」では、新たにマテリアルリサイクルで素材のエコ化を実現したほか、速乾性に優れた「ラッカン」は、織物に加え、新たにニットへの展開も可能となった。