東レ/チェモスビットと連携/環境低負荷の印刷技術で

2022年04月13日 (水曜日)

 東レ、軟包装材コンバーティング事業を行うチェモスビット(スロバキア共和国)はこのほど環境対応に優れる東レの軟包装用水なしEBオフセット印刷材料とチェモスビットの軟包装材コンバーティング技術を活用し、両社で軟包装材印刷時のCO2削減やリサイクル拡大の加速を目指す取り組みを1月から開始している。

 第1弾として、欧州で需要が高まりつつある軟包装材のモノマテリアル化に対応するため、水なしEBオフセット印刷方式によりモノマテリアルフィルムを使用するリサイクル可能な食品包装サンプルを3月に共同で製作。ブランドオーナーへのPR、実用化を図りながら同印刷方式の適用拡大に取り組む。

 軟包装材の印刷には大ロットの印刷に有利なグラビア印刷やフレキソ印刷が主力技術として使用されている。

 オフセット印刷は製販にかかる時間が短く多品種中小ロットの印刷に適していることから近年、少量多品種化が進む食品や消費財の包装材料印刷向けに関心が高まっており、欧州を中心に採用が増えているという。

 中でも、水なしEBオフセット印刷は印刷工程で有機溶剤を使用しない100%VOC(揮発性有機化合物)フリーの環境低負荷な印刷技術として注目されている。

 印刷時のCO2排出量をグラビア印刷に比べ80%以上削減することができるほか、印刷現場の作業環境を改善できるため、今後の有力な印刷技術として業界内での期待が高まっている。