クラレトレーディング/付加価値事業拡大に重点化/「エコトーク」100%に

2022年04月08日 (金曜日)

 クラレトレーディングは2022年1月から新中期経営5カ年計画をスタートさせた。環境配慮型素材「エコトーク」やスポーツOEM事業などの「付加価値ビジネスの拡大に重点化する」(山田武司社長)ことで26年度(12月期)に連結売上高1500億円、同営業利益60億円に引き上げる。

 21年度決算では連結売上高1440億円、同営業利益48億円を計上した。繊維、非繊維とも増収増益となり、繊維では原糸販売、一般衣料向け生地売りで苦戦が続いた以外は好調だった。

 新中計では、ポリエステル長繊維事業のポートフォリオ組み換えを加速。26年度でエコトークが占める比率を「100%近くまで引き上げる」。部分バイオポリエステルの導入にも意欲を示す。

 好調が続くスポーツOEMでは、ベトナムでの生地から製品に至る一貫体制をフル活用し今後も年率2桁%の事業拡大を計画。日本から高機能糸を持ち込んでベトナムで生地にする、あるいはベトナムで調達した糸を現地で生地にするオペレーションを充実させる。

 20年度からEMS(筋電気刺激)向けを先行し販売をスタートさせたウエアラブルでも大幅な拡販を計画。「21年度で4倍増を達成した」としており、22年度はウエアラブル用スマートテキスタイルの加工設備を増強する。

 中東向けの生地輸出からは22年度上半期で撤退。ブラックフォーマル向けでは供給責任を果たし、婦人服地には「是々非々で臨む」考えだ。