4月発足の東洋紡せんい/寝装加わり1.7倍に/マテリアル事業部の年商

2022年03月15日 (火曜日)

 東洋紡STCでインナー・肌着素材などを扱うマテリアル事業部は、2021年度(22年3月期)に黒字浮上する見込みだ。同社の繊維事業と東洋紡ユニプロダクツが統合して4月1日に発足する東洋紡せんいのマテリアル事業部の22年度売上高は、東洋紡ユニプロダクツの寝装事業が加わるため1・7倍に拡大する見通し。利益は「少なくとも前年並みを確保する」。

 東洋紡せんいのマテリアル事業部はインナー・肌着向けの年間素材として、オーガニックコットンを使って商品化した「爽快コット―O」「デオドラン―O」を拡販する。オーガニックコットン使いのレーヨン混、モダール混の商品も拡充する。

 マテリアル事業部に加わる寝装事業は、敷パッドやふとんなどの製品販売が主力。小売りやSPAへの企画提案を強化する。加えて今後は「糸売りを上乗せしていきたい」(宮嵜勝浩マテリアル事業部長)と言う。

 寝装市場では、新型コロナウイルス禍で清潔さへのニーズが高まり、抗ウイルス性が特徴のアクリレート系繊維「ヴァイアブロック」や、ポリエステルへの後加工「ナノバリアー」への引き合いが昨年来増えた。しかし、現在は落ち着いている。

 マテリアル事業部は、非衣料・資材分野の開拓にも力を入れる。ヴァイアブロックやナノバリアーを使ったマスク向けサーマルボンド不織布を拡販してきた。RX Japan(東京都新宿区)が主催する「サステナブルマテリアル展」への継続出展でマスクでの取り組みを引き続き強化する。