東レ・オペロンテックス/22年度中に再生糸を量産/再度の値上げ検討

2022年03月02日 (水曜日)

 東レ・オペロンテックスは2022年度中に再生タイプのスパンデックス「ライクラ」の量産を目指す。かねて研究開発に取り組んでおり、既に生産技術を確立。「顧客に当社のエコに対するスタンスを丁寧に説明しながら、22年度中に量産を立ち上げたい」(山地修社長)考えだ。

 新型コロナウイルス禍の影響で20年度はアパレル向けで苦戦を強いられたものの、21年度は19年度並みの販売量に回復させられる見通し。22年度も東レの海外拠点向けを中心とする拡販を計画しており、引き続き業績拡大を目指す。

 再生タイプでは、ポスト・コンシューマリサイクルにも広げていきたいといい、スパンデックスと他素材とを「分離する技術にはほぼめどを付けた」。残る課題はコストをいかに抑えるかにあるという。

 同社は高機能糸の開発・拡販を重視してきた。現在は消臭タイプ「T―327C」を高性能化した「同強化糸」の市場浸透に取り組む。

 既存の消臭タイプでは、相手素材や生地設計、加工方法などによって消臭性能にぶれが発生することがあった。この強化糸を使えばぶれを抑えられるため、顧客からは好評を得ている。

 一方、スパンデックスの粗原料、主要原料の価格が高騰を続けており、昨年4月に実施したのに続き再度の値上げを検討する。

 同社はスパンデックスほどの伸縮性を求められていないアイテム向けにはポリエステル系複合繊維「T―400」を販売しており、現在は「設備を増強しても供給が追い付かない」状況が続いている。

 このため、米ライクラ・カンパニーから原糸を調達するグローバルオペレーションで旺盛な引き合いに対応。21年度に続き「22年度も過去最高の販売量を達成できる」との手応えを示す。