帝人フロンティア/医療用ガウンの新工場建設/25年度で600万着

2022年03月02日 (水曜日)

 帝人フロンティアは有事における需要急増への対応、長期にわたる安定的な供給体制を構築するため、松山事業所(松山市)に不織布から製品までを一貫生産できる医療用ガウンの新工場を建設する。設備投資額は約20億円。今年12月から量産を開始し、2022年度で200万着、25年度で600万着の生産を計画する。

 同社は新型コロナウイルスが拡大する中、グローバルな調達機能を活用することで全社を挙げて医療用ガウンの生産・供給に取り組んできた。

 この一環として、不織布から衣料用ガウンを一貫生産できる自動化設備を備えた新工場の建設を決めた。新工場には不織布製造とラミネート加工から成る生地生産設備、自動縫製設備を導入する。

 縫製工程の自動化で医療用ガウンを縫製する一般的な工場に比べ、1人当たりの生産性が約7~10倍に高まり配置人員を少数化できるほか、人と人との接触を避けた工場運営ができるため、新型コロナ禍のような有事に際しても生産・供給を継続することができる。

 ポリエステルをはじめとする多様な素材に対応。ポリエステルでは環境に配慮したリサイクル原料を使用し、将来は医療用ガウンを着用後に回収しリサイクルするシステムの構築を目指す。

 不織布へのラミネート加工、シームレス縫製を採用することで高い防御性能を持つAAMIレベル(米国医療機器振興協会が定めるガウンやドレープなどのバリア性能レベルを1~4までの4段階で示した世界的な基準)に準じた医療用ガウンを生産できる。