東レ スポーツ・衣料資材事業部/環境配慮型素材を前面に/22年度も拡販計画

2022年03月01日 (火曜日)

 東レのスポーツ・衣料資材事業部は2022年度も販売増を計画する。販売好調が続く欧米向けのアウトドア素材を伸ばすとともに、北京冬季五輪・パラリンピック開催で盛り上がりを見せる中国へのアプローチを改めて強化しスポーツ・アウトドア素材の拡販を目指す。

 植物由来原料100%使いでナイロンの新素材「エコディアN510」を1月中旬に開催された一般の消費者を対象とする「アウトドアフェア」に出展したところ、多くの来場者から質問攻めにあった。

 既に11デシテックス(T)、22T使いで開発した軽量極薄織物を国内外の顧客に提案。東京、大阪で開いた商談会では、100%植物由来のナイロンという希少性から大きな注目を集め、複数のアパレルからピックアップされた。国内外のアウトドア大手を通じダウンジャケット向け薄地織物の販売を先行させる。

 「これからは環境配慮型素材のラインアップが欠かせない」(大塚潤スポーツ・衣料資材事業部長)とみており、白度やトレーサビリティーにこだわって開発した再生ポリエステル「&+」(アンドプラス)やイタリア・アクアフィルとの連携で開発した漁網などからケミカルリサイクルで生産するナイロンによる生地提案にも力を入れる。

 ストレッチ素材「プライムフレックス」では、ポリエステルタイプだけでなくナイロンタイプも前面に打ち出し22年度も2桁%の拡販を計画する。特に、メンズジャケット向けが好調で、これに合わせるシャツ向けには薄地の高通気ニット「ドットエア」をセットで提案する。

 21年度は欧米向けの輸出が勢いを取り戻したほかアウトドアやキャンプブームで国内販売も回復したため、「19年度並みの販売量に回復させられる」との手応えを得ている。