帝人/富士加飾と業務提携/リサイクル炭素繊維の商業化へ

2022年02月28日 (月曜日)

 帝人はこのほどリサイクル炭素繊維の商業化に向けて富士加飾(兵庫県小野市)と業務提携することで合意した。

 使用済みの炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は埋め立てや焼却処分されることが多く、環境負荷が大きいことから炭素繊維を再利用する技術確立が急務と言う。

 富士加飾は使用済みCFRPから母材となるプラスチックを取り除き、高品質な炭素繊維を取り出すことができる精密熱分解法という独自の特許技術を保有する。

 この技術はCO2排出量が少ないのが特徴で、新しい原料から炭素繊維を生産するのに比べCO2排出量を10分の1程度に抑えられるという。

 富士加飾は環境省の補助事業のもと、商業プラントの稼働を開始しており、ビジネス拡大に向けて用途開発の加速を検討していた。

 両社の取り組みやニーズが合致したため業務提携の合意に至った。今後、両社は温室効果ガス排出量の削減に向けて、リサイクル炭素繊維を使用する製品の生産・供給体制を早期に構築し、商業化に向けた取り組みを積極的に推進する。