ダイワボウレーヨン/エステル綿混の再生実現/香港の研究機関と商標共同申請

2022年02月24日 (木曜日)

 ダイワボウレーヨンはこのほど、使用済みポリエステル・綿(EC)混製品から分離・回収したコットンパウダーをレーヨンに練り込む技術を確立した。H&M財団と香港繊維アパレル研究所(HKRITA)によるリサイクル技術開発に参画したもので、ダイワボウレーヨンとHKRITAはリサイクルコットンパウダー練り込みレーヨンを「RDセル」として商標登録も共同申請した。EC混素材のリサイクルを実現する技術として世界的に注目されそうだ。

 EC混素材は衣料用途で最も多く使われている素材であり、一説には衣料品全体の約60%を占めるといわれる。近年、繊維素材のリサイクルの必要性が叫ばれ、ポリエステルや綿はそれぞれマテリアルリサイクルやケミカルリサイクル、反毛などで再利用の技術が確立されているが、ポリエステル綿混は素材の分離・回収が難しく、本格的なリサイクル・アップサイクル技術が実用化されていない。

 この問題に取り組んだのがH&M財団とHKRITA。独自の熱処理方式でポリエステルと綿を分離・回収する技術を確立した。ただ、分離・回収したポリエステルはケミカル方式やマテリアル方式でリサイクルすることができるが、綿はパウダー状で回収されるため、再利用方法の開発が未開拓という課題があった。

 この課題に取り組んだのがダイワボウレーヨン。H&M財団とHKRITAの研究開発に参画し、このほどリサイクルコットンパウダーをレーヨンに練り込む技術を確立。コットンパウダー練り込みレーヨンを「RDセル」として商品化することで、EC混素材のリサイクル・アップサイクルを実現する。現在は練り込み技術を応用しているが、将来的にはリサイクルコットンパウダーを溶解し、レーヨンに再生する技術開発にも取り組む。

〈ジュネーブ国際発明展で披露〉

 ダイワボウレーヨンとHKRITAは、3月16~20日にスイス・ジュネーブで開催される世界最大の発明品見本市「ジュネーブ国際発明展」にRDセルを出品する。EC混素材のリサイクル技術としてRDセルを披露することで国際的な認知度を高め、グローバルアパレルなどからの採用を目指す。