ダイワボウレーヨン/カチオン可染レーヨン開発/複合素材の一浴染め可能に

2022年02月15日 (火曜日)

 ダイワボウレーヨンはこのほど、カチオン染料で染めることができるレーヨン短繊維を開発した。これまで二浴染めが必要だったアクリル混など複合素材を一浴で染めることができる。これにより染色加工の際の工程数が削減され、効率化や環境負荷低減が可能になる。

 レーヨンは通常、反応染料で染色する。このため酸性染料やカチオン染料で染めるアクリル、分散染料で染めるポリエステルなどとの混紡・交織・交編素材の染色は、二つの処理浴で素材ごとに染める二浴染めをする必要がある。一浴染めと比べて加工工程が多く、水やエネルギーの使用量が多くなり、加工時間も増える。

 これに対して、カチオン可染レーヨンは、カチオン染料で染まる合繊と複合して一浴染めが可能。例えば吸湿発熱素材としてよく使われるアクリル・レーヨン混も一浴で染色できる。ポリエステル・レーヨン混もカチオン可染ポリエステルを使えば、やはりカチオン染料で一浴染めが可能。同社の試算によると、一浴染めにすることで二浴染めと比較して水使用量、二酸化炭素排出量、加工時間をそれぞれ約40%削減できる。

 カチオン可染レーヨンは同社が10年以上にわたって開発を続けてきたもので、このほど量産技術を確立した。現在、有力ユーザーと連携して商品化に取り組んでおり、既にサンプル出荷も始まった。カチオン可染レーヨンの実用化はこれまで例がなく、レーヨンの用途拡大や加工工程の革新につながる画期的な開発として注目を集めそうだ。