村田機械〈上海〉/強い引き合い1年以上続く/紡績顧客の好調や環境対応で

2022年02月07日 (月曜日)

 【上海支局】村田機械〈上海〉の渦流精紡機「ボルテックス」と、リング紡績向け自動ワインダーの中国内販が絶好調だ。2021年初めから現在まで、強い引き合いが続いている。顧客の地場紡績企業の業績好調や、環境対応と省人化ニーズの拡大などが追い風になっている。

 中国国内で新型コロナウイルス禍がある程度落ち着いた20年秋から、引き合いが復活し、同年末から需要が拡大した。「それから現在まで、強い引き合いが続いている」と繊維機械事業部の岡村敏治・営業マネジャーは話す。

 好調の背景の一つが、生産の“中国回帰”だ。「20年9月ごろから、海外向けが増えているとの声を聞くようになった」(岡村マネジャー)。

 顧客の業績が好調で、設備投資が活発化したことも好材料だ。昨年後半まで原綿高が続き、それに合わせて糸値も上がった。これにより、利ザヤを拡大した顧客が多かった。

 環境対応や省人化のニーズ拡大が続くことも、需要を盛り上げる。こうした流れは10年以上続いているが、「政府が循環経済の発展を推進する第14次5カ年計画を20年に発表して以降、拍車が掛かった」と言う。

 エネルギー効率が低い工場は、設備投資の許可が下りにくくなっている。設備更新の際、エネルギー効率が高いボルテックスや自動ワインダーに入れ替える動きがある。