スタイレム瀧定大阪/グローバル戦略を強力推進/米国、インドネシアに法人設立

2022年02月01日 (火曜日)

 スタイレム瀧定大阪(大阪市浪速区)は改めてグローバル戦略を推進する。その一環として米国・ニューヨークとインドネシア・バンドンに法人を立ち上げた。「エース級の人材を送り込み、拡販を狙う」(瀧隆太社長)。

 米国法人は昨年7月の設立、今年度(2023年1月期)中の本格スタートを予定する。事業は生地販売に絞る。これまでも米国向け生地販売には「巨大な市場であり今後も伸びていく」として力を入れてきたが、展示会への参加や出張営業だけでは大きく伸ばすことは難しいとして法人設立を決めた。

 瀧社長によると「最近、米国のブランドからの問い合わせが急に増えた」。その理由は、あるブランドの関係者が同社の存在を知り、会員制交流サイト(SNS)で紹介したことだった。SNSを見た別の複数のブランドが興味を示し、問い合わせが集中した。「まだまだ知名度が低いと捉えられる。逆に言えば伸び代が大きいということ」とし、備蓄機能や企画提案力をアピールして拡販に臨む。

 インドネシア法人は駐在員事務所を法人化する形で昨年8月に登記を済ませた。駐在員事務所では現地企業と組んで生地開発と仕入れを進めつつ、縫製品の生産管理を行っていた。法人化を機に現地の縫製工場やアパレルブランドへの生地の内販を始める。

 インドネシアは「生地から縫製品までの一貫体制と、ベトナム、中国よりも安い人件費が魅力」。現地企業との取り組み強化や人員増強により、生地開発と縫製品生産管理という従来事業のレベルアップを図るとともに、生地内販の拡大を狙う。

 この2国以外でもグローバル戦略を加速させる。独自の生地コレクション発表と販売にほぼ限定していたイタリア法人は今後、日本製生地の欧州向け販売拠点としての活用を始める。

 販売拡大が続く中国では昨年春に北京、アモイに上海法人の分公司を設置した。両地域での展示会開催や営業を強化したことが、「前期(22年1月期)は特に伸びた」という結果につながった。スポーツ系やサステイナブル関連の生地が好調だった。「今期も伸ばす」。