クラボウのユニフォーム事業/課題解決型商材にシフト/1月受注分から値上げ実施

2022年01月20日 (木曜日)

 クラボウは、ユニフォーム事業の2022年度(23年3月期)に向けた重点戦略として、ユーザー課題解決型商材へのシフトを進める。そのため合同展示会へも新規出展し、商流の開拓に取り組む。一方、綿花高やエネルギーコスト増加で採算が悪化していることから、1月受注分から生地の値上げに踏み切った。

 21年度のユニフォーム地販売は、新型コロナウイルス禍の影響で低迷した20年度からは回復が進んだ。ただ、19年度の水準には達しない可能性がある。備蓄アパレル向け定番生地は依然として勢いがないものの、ワークウエア向けは高通気ポリエステル綿混ストレッチ生地「ジェットエアー」など新商品が22春での採用が始まった。ポリエステル綿混の「バンジーテック」や綿100%の「バンジーコットン」などストレッチ生地が販売をリードする。食品白衣向けも流通在庫の整理が進んだことで、急速に需要が回復しているという。

 定番生地の需要減退が続いていることも踏まえ、22年度は高付加価値品へのシフトを一段と加速させる。防炎生地「ブレバノ」や電気・電子技術分野の国際規格であるIEC規格に対応した高制電素材「エレアース」、日本シグマックスと共同開発したワーキングパンツ一体型サポートウエア「CBW」などユーザーが抱える課題の解決に貢献する商材の提案を強化する。

 そのために今年10月に幕張メッセで開かれる工具・作業用品総合展示会「ツールジャパン」に初出展する。CBWなどを紹介し、新たな販路の開拓を目指す。

 一方、課題はコストアップ対策。現在、綿花高や染色加工コストの上昇で採算が悪化した。国内で染色加工を担う徳島工場(徳島県阿南市)は液化天然ガス(LNG)ボイラーを採用しているため、最近のLNG高でエネルギーコストが急激に増加した。もはや自助努力の範囲を超えたと判断し、今後の安定供給のためにも1月受注分から10%程度の値上げに踏み切った。