東レ/100%植物由来ナイロン繊維開発/23秋冬アウトドア向けから展開

2022年01月17日 (月曜日)

 東レは原料のポリマーを全て植物由来にしたナイロン510繊維を新たに開発した。バイオマス由来繊維ブランドのラインアップ「エコディアN510」として、主に23秋冬アウトドア用途向けから展開していく。販売計画はテキスタイルが2022年度に20万メートル、25年度に60万メートルを目指し、ファイバーは23年度に月当たり3㌧を目安に投入予定。

 ヒマ由来のセバシン酸と、トウモロコシ由来のペンタメチレンジアミンを重合、紡糸した100%植物由来のナイロン繊維となる。融点と寸法安定性が高いなど、他の植物由来ナイロンにない特長を持つ。さらに従来のナイロン6の強度、耐熱性と同等のスペックがあるため、主に国内外のハイエンドゾーン向けサステイナブル商材として訴求していく。

 テキスタイルは、23秋冬のスポーツ・アウトドア用途を中心に、薄地織物、カットソー素材などの需要を想定。ナイロン6と比較して売価が3~4割ほど高くなるため、販売計画通りなら22年度に2~3億円、25年度に7~8億円の売り上げとなる。ファイバーは製品の安定性を図りながら24秋冬アウトドア、インナーレース、資材用途向けから投入する。

 今後は、同社が所有する他の技術との組み合わせによって、繊維の太さを細くすることによる軽量化や、異形断面形状にすることで機能性を付与するなどの高度化を進め、アパレルだけでなく、さまざまな用途に活用できるサステイナブル素材として育てていく。