シキボウのユニフォーム地/SDGs切り口で成果を/原綿高で価格改定に着手

2022年01月13日 (木曜日)

 シキボウは、ユニフォーム地事業の2022年度(23年3月期)に向けた重点戦略としてSDGs(持続可能な開発目標)を切り口にした商品提案や、ユニチカトレーディング(UTC)との連携で開発した商品の販売で成果を上げることを掲げる。一方、課題は綿花高や加工コスト増による採算悪化への対応。このため価格改定に着手する。

 21年度のユニフォーム販売は、新型コロナウイルス禍による打撃を受けた20年度からの回復が進む。低迷していた企業別注ユニフォームは案件が復活傾向となり、学販シャツ地も安定している。ただ、備蓄アパレル向けは定番ワークウエアを中心に回復が鈍い。このため全体としては20年度からは回復するものの、19年度の水準には達しない可能性がある。

 22年度に向けて、ユニフォーム用途でも関心が高まっているSDGsの実現につながる素材提案に力を入れる。綿のほか、燃焼時の二酸化炭素排出量が少ない特殊ポリエステル繊維「オフコナノ」で採用実績を上げることを目指す。グループ会社の新内外綿の供給する繊維リサイクルシステム「彩生」も提案。回収したユニフォームをアップサイクルする構想もある。

 UTCとの連携の成果もユニフォームで上げることを目指す。昨年12月の展示会で、UTCの複重層紡績糸「パルパー」を校倉(あぜくら)造り構造織組織高通気生地「アゼック」に使用したものなどを披露し、反響が大きかった。

 一方、課題はコストタップ対策。綿花高騰に加えて燃料や染料・薬剤価格上昇による加工コスト増加で採算が極めて悪化している。もはや自助努力の範囲を超えたと判断し、今後の安定供給のためにも3月から5~10%以上の値上げを実施するために需要家への説明に着手する。