三菱ケミカル/アクリル樹脂のケミカル リサイクルで実証試験成功

2021年12月16日 (木曜日)

 三菱ケミカル、三菱ケミカルメタクリレーツ(東京都千代田区)はこのほど米国アジリックス社のプラントスケール設備においてPMMA(ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂)の解重合技術の実証に成功した。

 両社はかねてアジリックス社とアクリル樹脂をケミカルリサイクルするための解重合技術を検討してきた。ア社はポリスチレンをはじめとするさまざまなプラスチックに適用できる独自の熱分解技術を保有する。

 両社は2020年からラボスケールでアクリル樹脂の解重合試験を行い、21年8月からはア社のプラントスケール設備において本格的な実証試験を実施しアクリル樹脂を解重合することに成功した。

 実証試験で得られた解重合後の分解物を従来法で製造されたメチルメタクリレートと同水準の品質レベルまで純度を高めるため、英国・ウィルトンにある三菱ケミカルグループのパイロットプラントで蒸留精製を検討している。

 今後は欧州と日本国内でその地域特性に適したアクリル樹脂のケミカルリサイクルプラントの建設に向けた検討を加速する。