東レ 23春夏スポーツ/19年度並みの回復へ/ナイロンケミカル再生も

2021年10月06日 (水曜日)

 東レは23春夏向けに環境配慮型のスポーツ素材を重点的に打ち出す。白度やトレーサビリティーにこだわって開発したペットボトル再生ポリエステル「&+」(アンドプラス)や部分バイオ「エコディア」シリーズの販売を伸ばし、21年度は「19年度並みの業績に戻す」(大塚潤スポーツ・衣料資材事業部長)ことを目指す。

 新型コロナウイルス禍で21春夏商戦まで苦戦が続いたため、同事業部は20年度、2桁%の減収を強いられたが、21秋冬商戦から欧米向けを中心に市況が回復していると言う。

 23春夏に向けては、部分バイオ・エコディアやアンドプラスを前面に打ち出す。エコディアナイロンでは業界でも珍しい11デシテックス(T)、22Tという細繊度糸使いが注目を集めている。

 これら環境配慮型はスポーツ素材全体の30%前後を占めており、客先からの引き合いを踏まえると「この比率はさらに拡大する」見通しとなった。

 現在、イタリア・アクアフィルとのコラボレーションを通じ、漁網などからケミカルリサイクルで生産するナイロンの開発に取り組んでおり、「23春夏から実際の販売を立ち上げたい」考えだ。

 このほか、春夏の主力素材に位置付ける高通気「ドットエア」、汗染み防止「フィールドセンサーEX」、ストレッチ「プライムフレックス」などの拡販も計画する。

 フィールドセンサーEXやプライムフレックスは郊外型量販店経由でドレスシャツ、ジャケット、パンツ向けの販売も伸びており、今後もこれら高機能ニットによる商品開発、販路開拓に力を入れる。

〈東レユニフォームオンライン展開催〉

 東レは「2021年 東レユニフォームオンライン展」を14~20日、オンライン特設サイトで開催する。アドレスはhttps://www.uniform.toray/exhibition2021/index.html

 テーマは昨年に続き“ユニフォームエナジー フォー ネクステイジ”。「素材には、社会を変える力がある」という考えの下、次世代に向けた同社素材ブランドを画像や動画で紹介する。

 今回展では、“ブレークスルーⅡ~変わるもの・変わらないこと~”をコンセプトに掲げている。新型コロナウイルス感染拡大などによる労働環境の変化、温暖化による猛暑日の増加、環境負荷を低減する素材への関心の高まりなどにより、ユニフォームには重層的な機能が求められるようになってきている。

 時代の変化が激しく多種多様なニーズがあふれる現代においても、ユニフォームの変わらない存在価値を大切にしつつ新しい時代のニーズに対応する素材を提案する。

 「安全」「環境」「着用者の快適性」をテーマに高機能なユニフォーム素材・製品の開発に力を入れており、ウェブ展の後、実際に素材に触れることができる個別商談会を事前予約制で開催する。

 重点素材・製品は、環境配慮型「&+」(アンドプラス)、「エコディアPET」、抗ウイルス「マックスペックV」、使い切り化学防護服「リブモア」。