伊藤忠商事繊維カンパニー/事業会社の強化推進/自社EC拡大も重点施策に

2021年07月07日 (水曜日)

 伊藤忠商事の諸藤雅浩常務執行役員・繊維カンパニープレジデントは6日、東京本社(港区)で会見し、2021年度は各事業会社の強化を推進する方針を示した。各社が持つ強みを再検証しながら、デジタル技術を活用した販売にも力を注ぐ。

 諸藤氏は「百貨店向けが中心のレリアンは厳しい状況にありながらも、リモート逸品会のように新しい顧客との接し方を模索している」と事例を挙げ、強化の方向性を打ち出した。

 デジタル化の取り組みも重点施策に挙げた。20年7月に開設した「繊維デジタル戦略室」が各事業会社と連携し、自社ECの拡大を推進する。繊維事業全体で、ECによる販売比率を高めていく。

 サステイナブル素材の取り扱いを成長分野に位置付け、用途開拓を進める。「繊維から繊維」を掲げるリサイクルポリエステル繊維「レニュー」について「欧米や日本の大手アパレルに向けて原料の販売が進んでいる。これを軸に新たなバリューチェーンを構築していきたい」と意欲を見せた。フィンランドの森林から生まれたリヨセル繊維「クウラ」に対しても期待を示した。

 同社が全社的に取り組むマーケット・イン戦略に沿って「求められるものを提供する」方針の徹底を図る。