ダイワボウレーヨン/練り込み技術で機能付与/海水中生分解性レーヨンに

2021年06月28日 (月曜日)

 ダイワボウレーヨンはこのほど、海水中での生分解性を確認しているレーヨン短繊維「エコロナ」をベースに練り込み技術で機能性を付与したタイプを開発した。近年、マイクロプラスチックによる海洋汚染が問題となる中、海水中生分解性繊維への注目が高まっており、加えて機能性も付与できることから、同社ではこれを生かしてエコロナの用途拡大に取り組む。

 同社はこれまでも練り込み技術で多彩な機能レーヨンを開発してきた。今回は紫外線遮蔽(しゃへい)機能レーヨン「スキュータム」と熱線遮蔽機能レーヨン「レイシールド」の技術を応用し、エコロナに紫外線遮蔽機能を付与したタイプと、熱線遮蔽機能を付与したタイプをそれぞれ開発した。

 エコロナへの練り込み方式での機能付与が可能になったことで今後、他の機能レーヨンでもベース素材のレーヨンをレギュラーレーヨンからエコロナに置き換えることを検討する。エコロナは海水中で生分解性を認証する「OK・バイオディグレイダブル・マリーン」を取得していることを生かし、海洋汚染につながるマイクロプラスチックを発生させない機能素材として幅広い用途に提案する。

 エコロナは、そのほかにも適正管理された持続可能な森林資源を調達していることを証明する「FSC認証」、米国の農務省が再生可能資源から作られた製品を認証する「バイオベース製品認証」、染色加工などの安全性に関する国際規格「エコテックス規格100」、食品接触の安全性認証「ISEGA」なども取得している。