東レ テキスタイル事業部門/21年度はTX輸出を伸ばす/巣ごもり狙いニット拡充

2021年06月25日 (金曜日)

 東レのテキスタイル事業部門は2021年度、新型コロナウイルス禍で被った影響を早期に払拭し、業績を「コロナ前の19年度並みに近づける」(佐々木康次テキスタイル部門長)。欧米向けの生地輸出を伸ばすとともに、販売が好調な再生ポリエステル「&+」(アンドプラス)や使い切りの防護衣「リブモア」シリーズで拡販を見込んでいる。

 20年度は新型コロナ禍の影響で7~9月期、10~12月期に苦戦を強いられ、30%前後の減収を余儀なくされたと言う。

 年明けの1~3月期から市況が回復基調に転じ、4月以降は予算を10%前後で超過達成。特に欧米向けのスポーツ素材、アウトドア素材が動き出した。

 21年度は、ワクチン接種の浸透などに伴い新型コロナ禍が徐々に収束へと向かうタイミングで「産地への発注が集中し一気にスペースがひっ迫する」との懸念を強めており、他に先駆けて生産に着手する。昨年、買い控えていた海外の顧客から「ここに来てオーダーがどんどん入り出した」と言う。

 国内展開においては、リブモアや環境配慮型素材の拡販を計画する。高通気タイプなどでリブモアシリーズの増強を進めており、21年度は前年同様、「3倍増を計画する」。

 サステイナブルを求める顧客には再生ポリエステル「アンドプラス」やバイオ由来原料で開発した「エコディア」を打ち出す。ポリエステルの販売を先行させてきたエコディアで、20秋冬からひまし油由来の原料を約60%導入し開発した「エコディアナイロン」が戦列に加わった。

 ゴールドウインが「ザ・ノース・フェイス」にそれを採用し、インパルスレーシングジャケット(メンズ)、「同フーディ(レディース)」の販売を開始した。

 ニットアイテムの売れ行きが好調なことに対応し、スポーツ素材を転用した高機能巣ごもりウエア用ニットの開発を強化する。