東レ ユニフォーム事業/衛生加工を内外で拡販/好調「リブモア」さらに伸ばす

2021年06月16日 (水曜日)

 東レは2021年度のユニフォーム事業で、海外からも引き合いを集める衛生加工素材を重点的にプロモートするほか、オフィスユニフォームや学生衣料などで進む素材のニット化への対応を強化しトリコットや丸編みの拡販を計画する。

 新型コロナウイルス禍の影響で20年度は企業別注やオフィスユニフォームが苦戦する一方、病院白衣、学生衣料では堅調を維持できたと言う。

 使い切りの防護衣料「リブモア」シリーズは20年度も好調で「前年比で3倍以上の販売量を確保できた」(梅田輝紀機能製品事業部長)。世界的に防護関連衣料の供給がタイト化する中、安定供給を続けた「当社の強みを発揮させられた」との認識だ。

 21年度は、4~6月期で前年実績、予算をともに超過達成するなど回復基調が鮮明になってきており、衛生加工素材のバリエーション、トリコットや丸編み、「リブモア」シリーズの販促と重点的に取り組み現在の勢いをキープしたい考えだ。

 制菌「マックスペック」、抗ウイルス「同V」、防汚「テクノクリーン」といった幅広い商品群の販売をサービス産業、接客業、学生衣料向けなどで伸ばしており、今後は国ごとに規制が異なる状況を精査した上で、海外市場にも衛生加工のバリエーションを打ち出す。

 オフィスブラウスやジャケット、学生衣料(シャツ)でニット化が進んでいるといい、梳毛調「マニフィーレ」やストレッチ「ライトフィックス」などでトリコットや丸編みのラインアップを充実させ、セットアップを含むソーンに対するアプローチに力を入れる。

 リブモアでは、信州大学繊維学部・佐古井智紀準教授の監修のもと、高通気タイプの生地で蒸発熱抵抗試験を実施。熱中症対策の指標として使われる暑さ指数が一般衣料と同等の補正値=0度に相当し、さらに汎用的な防護服と比べると作業時に熱ストレスを軽減する効果に優れていることが判明したという。21年度はこの点のPRにも力を入れ、一層の市場浸透を目指す。

 エコ素材「&+(アンドプラス)」がこれまで採用の進まなかった備後地区のワーキング、学生衣料からも引き合いを集めているため、部分バイオポリエステル「エコディア」を含むエコ素材の商品ラインを充実させ、両用途に攻勢をかける。