ダイワボウHD新中計/次の成長へ経営基盤変革/繊維事業はESGを軸に

2021年05月17日 (月曜日)

 ダイワボウホールディングスは、2024年3月期を最終年度とする3カ年中期経営計画を策定した。「次世代成長ドライバーの創出」「リーディングカンパニーとして新たな社会作りへの貢献」「経営基盤変革」を基本方針とし、主力のITインフラ流通事業のさらなる拡大・高度化を進める。繊維事業はESG(環境・社会・ガバナンス)を軸に「ファイバー戦略」による開発強化や投下資本効率を指揮した事業運営に取り組む。

 同社は21年3月期に売上高が初の1兆円台に乗ったが、22年3月期から「収益認識に関する会計基準」を適用するため、中計最終年度の売上高は8750億円を計画する。今回の中計で将来の成長を見据えた事業構造転換を実現し、中計終了後の25年3月期以降には新しい会計基準の下で再び売上高1兆円を持続的に確保できる体制を目指す。

 繊維事業は「ESGを軸にした働き甲斐のある社会への変革」「ファイバー戦略の深耕による独自素材の開発強化」「投下資本効率を意識した事業活動」を事業戦略に据える。

 ESG関連では、二酸化炭素排出量削減と定期的な環境監査を実施するほか、生分解性・バイオマス・リサイクルなど環境配慮型製品に力を入れる。労働環境改善、人材教育、IT活用による業務効率化にも取り組む。

 ファイバー戦略は、技術・開発本部を新設し、横断的な研究開発体制を確立する。機能素材・サステイナブル素材を生かした拡販に取り組む。素材と後加工技術のグループ水平展開や産学官連携による研究開発領域の拡大を進める。

 投下資本効率を高めるために、研究開発を活用した合繊原綿の拡販や産業資材拡販に向けて出雲工場への生産拠集約を進める。製品ビジネスは事業再編などによる再強化亜に取り組む。