伊藤忠/スポーツウエア事業で香港社と合弁

2020年12月08日 (火曜日)

 伊藤忠商事は4日、スポーツウエアブランド「SKINS(スキンズ)」を保有する香港の投資持ち株会社、新●集団(シンフォニーホールディングス)と合弁会社「新伊藤品牌分銷(SYM伊藤セールス&ディストリビューション)」を設立したと発表した。伊藤忠のサプライチェーンを生かして商品力をさらに強化し、世界展開に弾みを付ける。

 新会社には、伊藤忠本体と、同社繊維カンパニーの香港事業会社、伊藤忠テキスタイルプロミネント〈アジア〉(IPA)、シンフォニーの3社が出資。本社はシンフォニーの本社内に置いた。IPAの社員1人が常駐する。資本金や出資比率は非公表。

 スキンズは豪州発祥のスポーツブランドで、2019年にシンフォニーが買収した。スキンズのウエアは着用時に血流を促し、運動能力の向上や故障リスク軽減、運動後の疲労回復といった機能があり、アスリートやスポーツ愛好家から高い評価を得ている。

 IPAの担当者は「中長期を見据えた事業にしていく」と新会社設立の狙いを説明。今後は伊藤忠のサプライチェーンを生かした独自素材の活用も進め、商品力をさらに強化していく考えを示した。

 スキンズは既に英国と豪州に販売拠点を構えており、まずは欧米市場の開拓を優先し、その後アジア、特に中国本土市場で本格展開する戦略だ。

 シンフォニーはブランド管理のほか、本土での商業施設・アウトレットの運営、証券などの金融サービスが主要事業。ブランド管理では、スキンズのほか、スイミングウエアを中心とするスポーツブランド「アリーナ」、シューズブランド「ポニー」を保有している。スキンズの事業では、世界的に事業展開する伊藤忠と組むことで物販にも直接関わり、ブランドの強化につなげたい考えだ。

[NNA]

(●はさんずいに豊)