伊藤忠商事/「レニュー」などサステ素材訴求/輸入博に3年連続出展

2020年11月12日 (木曜日)

 【上海支局】伊藤忠商事は、中国・上海市で5~10日に開かれた輸入品・サービスの展示会「第3回中国国際輸入博覧会」に、3年連続で出展した。繊維関係は、同社独自のケミカルリサイクルポリエステル「レニュー」と、ダウン代替素材「ゼロダウン」を訴求した。

 レニューは、古着や工場の残布の原料をケミカルリサイクルしたサステイナブル素材ブランドだ。中国では、地場と欧州のスポーツブランド向けを主力とする製品OEM/ODMの重点商材になっている。

 「ゼロダウン」は、ダウンの替りに空気を使った新素材で、サステイナブル、軽量、保温の三つを特徴とする。中国では日系スポーツブランドなどへの採用が始まっているほか、地場ブランドへの提案を進めている。

 同社は、中国政府が主催する同博覧会を重視し、第1回から大型ブースを出展してきた。大手メディアが取材に訪れるなど、中国でのプレゼンスを高める重要な機会になっている。

〈中国・輸入博「ジャパン・パビリオン」/156社・団体が出展/繊維企業は機能性ウエア訴求〉

 【上海支局】日本貿易振興機構(ジェトロ)は、中国・上海市で5~10日に開かれた輸入品・サービスの展示会「第3回中国国際輸入博覧会」に、「ジャパン・パビリオン」を3年連続で出展した。日本の中小企業156社・団体が、日本製の食品や医療機器、生活用品などを出品。繊維関係の出展者は、機能性ウエアなどを訴求した。

 ジェトロは「農林水産物・食品」「医療機器・医薬保健」「日本酒」「ライフスタイル」の四つのジャパン・パビリオンを設けた。スプランドゥール(福井県あわら市)とベネクス(神奈川県厚木市)の繊維企業2社は、ライフスタイルのジャパン・パビリオンに出展した。

 スプランドゥールは、ファッション性を追求した医療用弾性ストッキングや、新陳代謝の促進効果が期待できるインナーを訴求した。今回は3回目の出展となる。過去の出展を通じ出会ったエージェント経由での販路開拓に、このほど乗り出した。マタニティーショップなどの専門店での販売を模索している。

 ベネクスは、休養・睡眠時専用のリカバリー(疲労回復)ウエアをアピールした。ネット通販の販路開拓を目指し、出展した。

〈成約見通し約726億ドル/中国・輸入博〉

 【上海支局】中国・上海市で5~10日に開かれた輸入品・サービスの展示会「第3回中国国際輸入博覧会」の成約見通し額は、726億ドルで前年展に比べ2・1%増えた。主催者が10日に発表した。

 同博覧会は、約36万平方メートルの展示スペースに181カ国・地域の約3800社・団体が出展した。40万人前後のバイヤーが来場したもよう。