伊藤忠商事/「レニュー」スパン糸も/環境配慮型素材に注力

2019年11月25日 (月曜日)

 伊藤忠商事のファッションアパレル部門は、ケミカルリサイクルポリエステル「レニュー」など独自原料をバリューチェーンにつなぎ、最終製品まで提案する。20秋冬はサステイナブル(持続可能な)素材の提案を強めるとともに、新技術で新しい価値を生み出す。ネット通販専用ブランド「ジャメヴ」を9月に立ち上げた。

 20春夏から展開するレニューは、中国企業と取り組み、服から服へというサーキュラーエコノミーを目指す。スポーツ分野だけでなく、一般アパレルやセレクトショップからの引き合いもある。9月の「プルミエール・ヴィジョン」でも欧州ブランドに注目された。20秋冬からフィラメント糸だけでなく、スパン糸も提案。糸、中わた、生地、製品までバリエーションを広げる。

 ウールでは豪州ハミルトン地区の「ハミルトン ラムズウール」を訴求する。平均17・5マイクロメートルのスーパーファインウールは独特のヌメリ感、ソフト、膨らみが特徴。採毛量が格段に多く、大きなクリンプが特色の「メリノオプティモ」も展開する。この原料を使った横編み製品と丸編み製品をネット通販専用ブランドで販売する。「素材から最終製品まで手掛けることで、顧客と同じ目線で、次の商品開発に生かすのが目的」と言う。

 いらなくなった羽毛布団のダウンを再生する「アップサイクルダウン」も展開する。ダウン80%・フェザー20%、ダウン90%・フェザー10%の2種類を投入する。

 製紙用パルプを原料にした環境配慮型セルロース素材「メッツァリヨセル」は来年早々に事業化がスタートする。製造工程が人と環境に優しい。