伊藤忠/生地輸出再拡大へ/「ライクラ」や環境配慮商材軸に

2019年12月26日 (木曜日)

 伊藤忠商事は生地輸出事業で、手法や商品そのものを変更し、再拡大を目指す。

 同社は2019年2月、「原料起点のバリューチェーン構築」という方針の一貫として、資本・業務提携する中国の山東如意科技集団による米国ライクラ社の買収に出資参画した。20年以降の生地輸出事業でもこの出資を生かして、スパンデックス繊維「ライクラ」を軸にした生地開発に注力する。

 同時に力を入れるのが環境配慮商材の開発、提案。ライクラのエコバージョンの拡販に努めるほか、出資先である日本環境設計(東京都千代田区)の再生ポリエステルを使った生地開発と提案に力を注ぐ。

 同社は近年、「リビナックス」という海外市場向け自社生地ブランドを軸に、北陸産地を中心としたコンバーティングの力を発揮して輸出拡大に取り組んできた。2016年にはパリ開催の「プルミエール・ヴィジョン・ファブリック」に初出展。以来、徐々に欧米ブランドでの採用を伸ばしてきた。しかしここにきて、欧州市況の悪化や社内体制の変更などを背景に「伸びが止まった」状況になっていた。

 今後も産地企業と協業したモノ作りをベースにはするものの、その対象は絞り込む。その上でパイプを太くし、新商品開発や納期対応につなげる。