伊藤忠システック/韓国製節水染色機で見学会/初号機導入の日本化繊で

2019年09月30日 (月曜日)

 伊藤忠システック(大阪市中央区)は26、27の両日、韓国・ドンア・ダイイング・マシナリーの超節水型省エネ液流染色機「iSmart(アイスマート)」の見学会を、日本で初号機を導入したソトー子会社、日本化繊(愛知県一宮市)で開いた。尾州をはじめ、和歌山、新潟各産地の染色加工企業20社が参加。10月後半には、北陸産地企業を中心とする第2回の見学会も予定する。

 アイスマートは丸型の液流染色機で、ロングチューブ型とは形状が全く異なる。ドーナツ型と呼ぶ染色漕から成り、漕内で高速回転する生地に、独自のノズル機構から染液を噴射し染色するのが特徴。

 これにより、浴比(染める生地に対する染料液の重量比)を1対3~4に抑えることができる。水量が少なくなるため蒸気、排液をはじめさまざまなコスト削減が図れ、トータルコストはロングチューブ型に比べて3分の1になると言う。スペースも半分で済むなどの利点もある。

 ドンアは1985年設立。常圧、高圧タイプのアイスマートを年間150台生産する。伊藤忠システックは日本国内と日系企業の海外拠点向けの販売を担当。環境問題への対応が重視されていることから、アイスマートの拡大に期待。年間100台の販売を計画する。

 日本化繊が導入したのは高圧タイプ。奥村直規代表取締役は、「水量の削減は排水量の削減にもなり、その出し入れの時間短縮にもなる。水量に加えて薬剤使用量、エネルギーの削減にもつながる」とコスト削減にも期待する。