トンボ/関東市場でシェア拡大加速/21年稼働の新物流センター完成で

2019年09月06日 (金曜日)

 トンボは、活発な制服モデルチェンジ(MC)が続く関東市場の開拓を加速する。2021年には茨城県笠間市に新物流センターが稼働する予定で、近藤知之社長は「新物流センターの完成によってさらに関東でのシェアを高めたい」と話す。東京本社の物件全てを新物流センターからの出荷に切り替え、アソート業務など物流の効率化を進める。

 制服MCで価格競争が激しくなる中、付加価値を高めた仕様による提案を強めているが、それ以上に「工場関係でのコストが上がり、特に物流コストの上昇が激しい」(近藤社長)ことが利益を圧迫しつつある。

 現在、玉野本社工場(岡山県玉野市)と紅陽台物流センター(同)で約27万人分のアソート対応している。個人向け刺しゅうや裾上げなどの対応が難しくなりつつあることから、新物流センターの立ち上げで効率化を図る。

 新物流センターの総工事費は土地の取得も含め、25億~26億円になる見通し。土地の整備に時間がかかり来年3月以降に建屋の工事に入り、21年7月までの完成を目指す。東京本社の物件については、玉野本社工場や紅陽台物流センターで行っていたアソート業務を1、2年かけて新物流センターへ完全移管する。

 同社は数年後、グループの関東市場での売上高として100億円を構想している。これまでも「当社の関東での制服のシェアは高い」としており、新物流センターの完成によってシェア拡大に弾みを付ける。

〈6月期は増収も減益見通し〉

 トンボは、5月に子会社化した瀧本を除くトンボグループの2019年6月期連結決算についてスクール、スポーツ、ヘルスケアの3事業いずれも売り上げが伸び、前期比増収になりそうだ。一方で物流コストの増加などで減益を見込む。

 19年6月期は、トンボ単体では増収増益の見通しだが、連結では働き方関連改革法に基づいたアルバイトやパートの人員確保、物流施設のLED化への設備投資、物流運賃そのものの上昇などが響き、増収減益になる見込み。新物流センターの土地確保や瀧本子会社化にかかる諸経費が増えたことも影響した。

 今期は3カ年の新中期経営計画の初年度となる。子会社化した瀧本(大阪府東大阪市)も含め、最終年度の22年6月期には売上高400億円を計画する。19年6月期はグループ全体の売上高が383億円弱となる見通しで、新中計では毎年6億円ずつ売り上げを伸ばす形となる。

 売り上げ拡大から利益重視への方針転換はトンボだけでなく、瀧本も同じで「連携していける部分は連携し、利益重視のマネジメントを進める」(近藤社長)。生産面では、キャパシティー共有を見据えるとともに、販売の前線では競合相手として市場で互いにシェアを広げる形をとる。