日清紡テキスタイル/ESG、SDGsを重視/グローバル販売へ“カイゼン”推進

2019年07月22日 (月曜日)

 日清紡テキスタイルは今後の重点戦略として、「“環境・エネルギーカンパニー”への転換」「グローバル化の推進」「モノ作り強化とコト提案」を掲げる。そのために商品開発や生産プロセスにESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続的な開発目標)の観点を盛り込むほか、海外生産拠点での“カイゼン”活動強化でグローバル販売の拡大を進める。

 村田馨社長は「日清紡グループとして掲げる“環境・エネルギーカンパニー”への転換を繊維事業でも進めなければならない。そのためにも商品開発や生産プロセスにESGやSDGsの観点を組み入れていくことが重要になる」と強調する。

 このためインドネシアの染色加工子会社である日清紡インドネシアで2018年に廃水処理関連の設備投資を実施。今後も引き続き環境負荷低減に向けて投資する。ブラジルの紡績子会社、ブラジル日清紡は村田機械の渦流精紡機「ボルテックス」を4台導入している。リング精紡機と比較して生産工程を短縮できるため、こちらも環境負荷低減につなげる。

 商品開発ではノーアイロンシャツ「アポロコット」のバージョンアップを進める。機能性の向上に加えてノンホルマリンでの加工開発にも挑戦する。独自開発した画像解析による形態安定性評価方法の普及・標準化にも取り組む。

 グローバル化の推進では「インドネシア子会社をモノ作りのベースとしてマザー工場化する」として積極的に設備更新を進めるほか、“カイゼン”活動の強化でシャツ地を中心に国際市場での競争力確保を目指す。現在、同社の海外販売比率は約35%だが、縫製後の最終仕向地で見ると15%程度。これを20~30%にまで高めることを目指す。

 デジタル技術や電子商取引(EC)を活用した“コト”提案にも力を入れる。「グループ企業である東京シャツはそれなりの規模のECがある。そこで得たデータを活用した取り組みを進める」と村田社長は話す。