トンボ/コト戦略の差別化 推進/ブラッシュアップ提案強化

2019年05月22日 (水曜日)

 トンボは来入学商戦に向け、生徒募集や学校支援といったコト戦略の差別化で、学校制服のモデルチェンジ(MC)校獲得の増加につなげる。制服のマイナーチェンジについてもブラッシュアップという形で学校のニーズに応じて分かりやすい提案を強化。軽量で伸縮性に優れたオリジナル生地「ミラクルニット」など、独自性のある商品群とコト戦略の連動で市場シェアの拡大を図る。

 谷本勝治執行役員営業統括本部販売本部長によると、今入学商戦は全般的にMC校が少なかったものの、マイナーチェンジを含めて、前年よりMC校の獲得を増やした。「イーストボーイ」の採用校が2桁台に乗ったほか、自社ブランド「バーシティメイト」によるファッションデザイナーの松倉久美氏とのコラボ企画も採用校を増やしつつある。

 店頭販売もニットの詰め襟服「ビクトリー」の販売が増加。抗菌防臭機能を進化させた詰め襟服「マックスプラス」も新たにウール30%混、ポリエステル100%物のラインアップを加え、キャンペーンで販売が伸びた。

 来入学商戦に向けた全般のMC校数は、同社の試算によると4月末の時点で前年より10校ほど多く、「20年はオリンピックイヤーでもあり、来年は全般的にもMC校が増える可能性がある」(谷本執行役員)。

 マイナーチェンジではブラッシュアップという形で、昨年の総合展からより要望に合わせて素材やシルエットなどを分かりやすく提案。MC校の新規獲得だけでなく、同社の制服を採用する学校に対しても他社にシェアを奪われないように提案力を高める。

 素材面では独自開発の「ミラクルニット」を採用した制服の販促も強化。今年は中学校を中心に10校以上の学校に採用され、ウール混率が15%と決して高くはないものの、表面を織物風にするなど上質感を高め、ブラッシュアップでも採用につなげる。

 コト戦略では生徒募集や学校支援といった取り組みを充実させるほか、11月29日の「いい服の日」に合わせた「アイデア・デザインコンクール」を広げる。昨年は全国の学校からアイデア、デザインの応募が初めて1万点を超え、新たな学校との関係構築にもつながってきた。今年は「体育着デザインコンクール」の表彰も一緒に合わせて実施するなど、ブランディングの向上にも取り組む。