伊藤忠繊維カンパニー/「商いの次世代化」加速/今期は過去最高益更新へ

2019年05月16日 (木曜日)

 伊藤忠商事の諸藤雅浩常務執行役員・繊維カンパニープレジデントは15日、東京本社で会見し、2019年度は「商いの次世代化」などに取り組み、過去最高となる純利益330億円を目指す意欲を語るとともに、保有株式を40%に買い増したデサントについて「企業価値の向上を第一義的に位置付ける」と全面協力の姿勢を示した。

 「商いの次世代化」は、ファッションアパレル分野で「主導権を持った原料起点のバリューチェーンの構築」を進める。18年度に資本参加した米ライクラ社や再生ポリエステルの日本環境機構、フィンランド森林業界メッツァと共同出資した環境配慮型セルロース繊維工場などの素材に製品を絡めることで世界展開する小売りチェーンに売り込む。

 ブランドビジネス分野では電子商取引(EC)など新しい流通チャネルへの参入を進める一方で、アパレル企業向けのECサイトを運営する米ジョア社など内外のベンチャー企業に投資しており、それらのノウハウを活用し、既存ビジネスの次世代化を図る。

 事業投資は「18年度(600億円弱)まではいかないが、相乗効果があり、効率が良い案件には積極的に対応する」構え。5月1日付で20課中5課の課長に45歳前後の若手を抜擢するなど、人材の活性化を進める。