伊藤忠への反論発表/デサントがTOB問題で

2019年03月11日 (月曜日)

 デサントは8日、株式公開買い付け(TOB)期間中のデサントとの話し合いを打ち切るなどとした伊藤忠商事の2月28日の発表に対する反論を発表した。

 伊藤忠側は、デサントとの協議期間中に、デサント経営陣の交渉態度の誠実性や社長の発言内容の信ぴょう性に疑問を持たざるを得ない状況が続き、かつTOB後の経営体制に関する具体的な方向性の提示がなかったとしている。これに対しデサントは、協議の実際の経緯や事実関係に反すると主張した。

 デサントによると、伊藤忠が主張するTOB後の経営体制に関する和解案は、伊藤忠との利益相反や、利益相反へのけん制を含む株主共同の利益のためのガバナンス体制の弱体化といったデサント側の懸念を十分に払拭(ふっしょく)するものではなかった。このため和解案を応諾できないと判断。デサントが適切と考える経営体制を提案したが合意に至らなかった。

 TOB終了後には、取締役会の人数構成にとどまらず、今後の取締役候補を公正・公平に選定するための指名委員会の在り方や、次世代リーダー育成の仕組みなどを盛り込んだ協定書の策定・合意を目指し伊藤忠と協議したいという。

 伊藤忠との協議期間中、報道機関のインタビューなどの中で同社経営陣が、開示内容を超える、あるいは一部事実と異なる発言を行ったとの伊藤忠の主張には、具体的発言内容を示しておらず、極めて抽象的かつ曖昧なものだと反論した。