ごえんぼう

2019年02月04日 (月曜日)

 デサントの経営を巡る同社経営陣と伊藤忠商事の確執が表面化して半年余り。伊藤忠の株式公開買い付け実施発表で大きなヤマ場を迎えた▼1984年、「マンシングウェア」の過剰在庫問題でデサントは揺れた。伊藤忠は同商標を共同保有し、債権も抱えた。当時の石本恵一デサント社長の支援要請もあり、衣料本部長代行だった飯田洋三氏を派遣、両社の関係は一層強まる▼恵一氏は雅敏現社長の父、飯田氏は輸入繊維事業に精通し、岡藤正広伊藤忠現会長の直属の上司だった。飯田氏は在庫処分のため幹部を引き連れ、とある産廃処分場に赴いた。商品は子供と同様、それを捨てざるを得ない愚を犯すな、との意を込めた幹部帯同だった▼「水沢ダウン」をはじめ、デサントの商品力には定評がある。アパレルが四苦八苦するなか韓国、中国に市場を求め、利益を拡大させた。社名由来である「滑降」することなく着地してほしい。