商社繊維事業のいま 18年度上半期決算から(2)/アパレルOEMが盛り返す

2018年12月11日 (火曜日)

〈アパレル堅調で増収増益/伊藤忠商事〉

 伊藤忠商事繊維事業の連結は、収益2926億円(前年同期比15・5%増)、売上総利益565億円(7・6%減)、営業利益99億円(16・1%増)、純利益155億円(13・9%増)と、売上総利益以外は大きく伸ばした。

 アパレル関連の一部事業の売却が前期にあったものの、新会計基準適用の影響により増収となった。売上総利益が減少した要因は、アパレル関連事業の堅調な推移があった半面、前期で一部事業を売却したこと。

 営業増益には、アパレル関連事業の堅調な推移や各種経費の削減が奏功。純増益には、アパレル関連事業の堅調推移や経費削減に加え、海外アパレル関連事業の売却益などが貢献した。純利益重視のスタンスに変化はなく、結果を残した。通期は期初計画通りの320億円を見込む。

〈住商モンブランが奮闘/住友商事〉

 住友商事グループ繊維事業の4~9月期連結は、売上高が339億円(0・6%減)だった。単体は21億円(41・7%減)。

 スミテックス・インターナショナルは、ベビー・子供服分野やキャラクター雑貨で国内市場の拡大を図っており、ベトナムの専用縫製ラインで生産する中高級衣料品事業は中国からの生産シフトを受けてフル稼働を続けている。ホーチミンとダナンではライン増設を進める。

 住商モンブランは、食品工場での動きやすさを追求した「スムースフィット」、医療・介護分野の戦略商品「ジュンココシノ」「ローラアシュレイ」などが引き続き売り上げを伸ばしたこともあり、前の期に続いて上半期の過去最高売上高を達成した。

 繊維事業の業績予想は公表していないが、国内アパレル市場など一部で環境悪化が続く中、事業全体は「好調に推移する」とみる。

〈アパレルが1千億円台に/東レインターナショナル〉

 東レインターナショナルの4~9月期単体決算は売上高3347億円(25・2%増)、営業利益69億円(23・0%増)、経常利益83億円(36・7%減)、純利益73億円(37・3%減)の大幅増収大幅営業増益だったが、受取配当金が前期の73億円から12億円に減少したため、経常大幅減益となった。繊維事業の売上高は1617億円(49・0%増)だった。

 衣料用ファイバーの好調が全体をけん引し、衣料素材は13%増収の373億円に。繊維資材・物資は微減収の234億円。アパレルは大手SPA向けが好調でほぼ倍増(94・6%増)となり、売上高(1009億円)が1千億円を突破した。樹脂・ケミカルは13・3%増収の741億円。

 通期は売上高6693億円、営業利益135億円、経常利益159億円、純利益117億円の増収・営業増益・経常減益の見通し。