TPL、TJT/資材用途が好調リード/品質・安全管理を改めて強化

2018年08月31日 (金曜日)

 【バンコク=宇治光洋】帝人グループのポリエステル長・短繊維製造タイ子会社であるテイジン・ポリエステル〈タイランド〉(TPL)とテイジン〈タイランド〉(TJT)の業績が堅調に推移している。2018年度上半期(4~9月)は昨年にポリエステル繊維の主要銘柄生産が日本から移管されたことに加えて、既存の生産・販売でも計画を上回る勢いで推移する。堀井哲也TPL社長兼TJT社長は「特に主力の資材用途が好調をリードしている」と話す。

 生産品の中でも好調なのがポリエステル短繊維。TPLが生産するバインダー繊維やショートカットファイバーは不織布・機能紙向けで需要が旺盛。クッション材「エルク」もインテリア用途で商談が進む。TJTの原着わたも主力の自動車内装材用のほか、一般資材向けが拡大した。原着わたは小ロット生産が前提の設備のため、これを応用することで一般資材用途でも細かなニーズに応える取り組みが成功した。

 堀井社長はTPL、TJTともにポリエステル短繊維はフル生産となっていることから「次の増設に向けた検討を進める段階になった」と話す。特にTJTの原着わたは供給能力不足が顕在化していることから、早期に増設を具体化させたい考え。

 衣料用ポリエステル長繊維に関してはTPL、TJTともに「帝人グループのテキスタイル事業への供給が主戦場。スポーツを中心に好調が続いている」と話す。汎用品を縮小し、差別化品への特化が成果を上げた。

 一方、今後の課題として原料高騰によるコストアップへの対策を挙げる。既に自助努力による吸収の範囲を超えているため、独自で販売する部分は9月から値上げを実施する。値上げの浸透が今後の収益を左右すると考える。

 また、フル生産が続き、生産現場の負荷も高まっていることから「こんなときこそ改めて品質・安全管理の強化に取り組む」。人手不足の懸念も高まっていることから自動化投資も積極的に実施する。