テイジン・フロンティア〈タイランド〉/内需へのアプローチ強化/産資は生産移管完遂を推進

2018年08月29日 (水曜日)

 【バンコク=宇治光洋】帝人フロンティアのタイ法人、テイジン・フロンティア〈タイランド〉は、今後の重点課題として産業資材、衣料ともに内需へのアプローチ強化を掲げる。産資は、ゴム資材、タイヤコードともに帝人グループとしてタイへの生産移管完遂を販売面から推進する。

 鎌田進社長によると、同社の2018年度上半期(4~9月)は総じて堅調に推移している。主力の産資分野はゴム資材が自動車や農業機械向けで堅調に推移。カーシート地も販売数量は安定している。タイヤコードはテイジン・FRA・タイヤコード〈タイランド〉(TFA)の生産品に対するタイヤメーカーの品質承認が進んだことで販売が増加した。

 一方、衣料分野はスポーツ素材などで帝人フロンティアのテキスタイル事業と連携した販売が拡大した。ただ、独自に取り組む三国間輸出などはバーツ高の影響で苦戦した。糸・わたなど原料分野はテイジン・ポリエステル〈タイランド〉の生産品の販売が拡大した。

 鎌田社長は今後の課題として「産資、衣料ともに内需へのアプローチを強める必要がある」と指摘する。バーツ高でタイの輸出競争力に陰りが見える中で、内販の重要性が一段と高まっているとの認識を示す。このため今後、内販に向けてタイのローカルアパレルなど新たな提案先の調査を強化する。

 そのほか、産資分野では帝人グループの構造改革によって、ゴム資材用シングルエンドコードはテイジン・コード〈タイランド〉の、タイヤコードはテイジン・FRA・タイヤコード〈タイランド〉の生産が重要な役割を担う。テイジン・フロンティア〈タイランド〉としても販売面からこれを支援し、「工場のフル稼働化で帝人グループとしての移管作業の完遂を実現する」ことを目指す。

 産資分野は受注数量こそ安定しているものの、利益率は満足できる水準にない。このため生産効率向上とロス削減などで収益性の改善にも重点的に取り組む。