不織布新書18 ANEX2018開催記念号(7)

2018年06月05日 (火曜日)

〈東レ・オペロンテックス/原糸から生地まで提案/「ライクラ」60周年も打ち出す〉

 東レ・オペロンテックスはインビスタと共同でANEX2018に出展し、同社の衛材用スパンデックス「ライクラハイフィット」を重点提案。2018年は「ライクラ」60周年にも当たることから、ANEX2018ではライクラがこれまで蓄積してきた技術やノウハウによる優位性も全面的に打ち出す。

 ライクラハイフィットは紙おむつなどの伸縮部に使用されており、国内外ともに販売量の拡大が続く。特に近年は東南アジアなどでも紙おむつ生産拡大に合わせて需要拡大が続く。2018年度に入り、アパレル用途の先行きが依然として不透明な中、衛材用途は着実に販売量を伸ばしている。

 このため東レ・オペロンテックスの寺嶋伸一社長は「市場規模の拡大ペースを考えると、引き続き衛材は重点用途の一つ」と強調する。このためANEX出展で不織布や衛材メーカーへのアプローチを強めることを目指す。

 特に近年は紙おむつの高機能化で伸縮部の形態複雑化や製造工程の高難度化も進む。このためスパンデックスには強度や不織布との接着性などで従来以上の品質が求められる。こうしたニーズに応える「ハイクオリティーなスパンデックスとしてライクラハイフィットを紹介し、競合他社との差別化を図る」と話す。

 原糸だけでなくライクラを使った経編み地や丸編み地も紹介。同社が取り扱う着圧サポーターなど製品も展示することで衛材だけでなくメディカルを含む周辺領域に向けた提案も行う。

 18年はインビスタの前身であるデュポンの化学者だったジョセフ・シバーズ博士がポリウレタン弾性糸の開発で特許を取得して60周年となる。このほどシバーズ博士が全米発明家殿堂に入った。ライクラ60周年となる今年、インビスタと東レ・オペロンテックスはライクラがこれまで蓄積してきた技術やノウハウ、実績をANEX2018でもアピールする。

〈髙安/原料から不織布まで/リサイクル全面に訴求〉

 再生ポリエステル・不織布製造の髙安(岐阜県各務原市)は、原料から不織布まで一貫して生産できることを強みとする。それぞれの顧客ニーズに合った製品を製造。今後、ニードルパンチ不織布(NP)では“より細く、薄く”をテーマにしたモノ作りを進めていく。

 同社は工場で発生する繊維状、フィルム状、粒子状のくずを原料にした、再生ポリエステル短繊維を製造販売する。さらに、これを原料とした、NPを生産しており、原料から不織布までの一貫生産体制を築く。原料からの提案が可能で、ニーズに対応した不織布の製造を得意とする。

 以前はNPで衣料向けの芯地をメインに手掛けていたが、現在は自動車の吸音材、産業資材、土木資材などを製造する。特に近年は自動車向けが増えており、売上高の半分を占める。NPの製造設備は3ラインあり、自社生産の再生ポリエステル短繊維以外にも、綿やウールなどの天然繊維、機能繊維を使用した生産も可能。

 業績は生産、販売量が増加しているものの、物流コストがかさみ、収益を圧迫している。今後の戦略としては、新規開拓を図りつつ、産業、土木資材を増やす。“より細く、薄く”というテーマで、現在は1平方メートル当たり50グラムまでのNPは製造できるという。用途を限定せず、空調、吸音、緩衝剤関係で活用できると考える。

 ANEXでは、同社の一貫生産体制やリサイクルの取り組みを全面にアピールする。ブースにモニターを設置し、ペットボトルの粉砕から、チップ、短繊維、不織布になるまでの一連の工程を映す。

〈サンアッド/顧客のニーズに合わせて/多彩な用途を手掛ける〉

 ニードルパンチ不織布(NP)製造のサンアッド(岐阜県瑞穂市)は、顧客のニーズや用途に合わせた、さまざまな不織布を手掛ける。用途も寝具向けや自動車向けに加えて、生活用品や建材、土木資材などと多岐にわたる。

 経営理念に「全方位展開」を掲げており、NPで多様化を図ってきた。手芸用のカラーフェルト、防草シート、書道の下敷き用フェルト、靴の中敷きといった商品をそろえ、顧客からのさまざまな要望に応える。

 それを可能にするのは、各種加工技術を持ち、その加工設備を持つため。不織布の厚さを均一にしたり、貼り合わせたりできるほか、滑り止めや難燃性といった機能を付与する加工をそろえる。「かなりの要望に応えられると自信を持って言える」(柘植豊正会長)と話す。

 かつては自動車向けが全体の90%を占めていたが、価格競争に巻き込まれたため、顧客との取り組みによる商品開発型に方針を転換。現在は自動車向け30%、寝具向け30%、生活用品や建材などを含めたその他が40%を占める。取引先は50社あり、その顧客にしか供給していない製品も数多い。

 NP製造設備は2ラインで、月産は25万平方メートル、小ロットにも対応する。生産が難しいとされる吸湿繊維を高混率で不織布にすることもできる。工場内の温度や湿度を徹底的に管理して、製造現場の環境を整えた。

 ANEXでは、経営理念をコンセプトに、保有する設備や、これまで開発してきた商品や事例について紹介する。今後も顧客との商品開発を進め、多種多様な製品作りに挑戦する姿勢は崩さない。

〈クッキングペーパー受注増/ハビックス〉

 ハビックスは、エアレイド不織布でクッキングペーパーの受注が増えている。訪日外国人の増加により、外食産業の需要が旺盛だったことが奏功。同社で最終製品まで手掛ける。

 エアレイド不織布は、他にもドリップシート、おしぼり、ウエットタオル向けなどを製造。パルプを原料にしており、岐阜県山県市の伊自良工場で月に800トンを生産し、現在は、ほぼフル稼働にある。

 紙おむつのトップシート向けを中心に製造するエアスルー不織布は同県本巣市の本巣工場で生産。設備は2ライン保有し、月産600トン。稼働率は80%にとどまっているため、新たな用途開拓を進める。

〈化繊ノズル製作所/各種ノズルの新工場建設/100周年に向け体制整備〉

 化繊ノズル製作所(大阪市北区)はメルトブロー(MB)やスパンボンド(SB)用を中心に不織布用部品・装置の販売を順調に伸ばしている。元々は化繊紡糸用ノズルで高いシェアを持ち、特に複合紡糸用を得意とするが、足元では不織布が最大用途になった。販売先はグローバルに広がり、海外は主力の中国、東南アジア、インド、トルコ、中東などで拡大を見込むほか、今後は欧米市場も狙う。

 今期(2019年3月期)は中期5カ年計画の最終年度であり、10月に70周年を迎える節目の年でもある。次の5年および100周年に向けた体制づくりを重点方針の一つとし、開発の強化、グローバルに活躍する人材の育成などに注力するほか、各種ノズルの新工場建設も決定した。

 新工場は東江原工場(岡山県井原市)の敷地内に建設する。4月に着工し、来春に完成する予定。これまで需要拡大に応じて段階的に増設を進めてきたため複数の建屋に分散していた各工程を新工場に集約、一気通貫の形にして生産効率を高める。新工場の稼働後、現工場はIT関連など新しい柱の育成に活用する。

 不織布用の部品・ラインは特にMB用やSB用の伸びが大きい。MB用では長年培ってきた精密加工技術を生かした細孔の直進性が強みの一つ。細孔の位置にズレがあると熱風が均一に飛ばず、ウェブのバラつきの一因となる。MBのように薄くなるほどこの差が出やすいが、同社は細孔の並びをマイクロメートルレベルで制御し、顧客の低目付要求に応える製品を供給する。開発力も強みの一つで、例えば高圧仕様品では、5メガパスカルに対応するノズル・ダイも開発している。

 東江原工場内にあるR&Dセンターを軸に今後も技術開発に注力する。不織布用ではさらなる細繊度化、生産性の向上、高付加価値化などさまざまなニーズに応える開発を加速するほか、SB設備の大型化への対応も進める。得意とする複合紡糸用も引き続き注力する考えで、3成分紡糸用など新たな開発品も出てきている。

〈伊藤忠システック/ニーズに応える多彩な機械を/デュロGの最新機種を紹介〉

 大手不織布機械メーカーであるディログループの日本代理店である伊藤忠システック。ANEXでディログループの最新機種を紹介するほか、ディロ以外で伊藤忠システックが販売を担当するメーカーの機械を多彩に提案する。

 ディログループの機械ではベールオープナー・開繊機、カード機、クロスラッパー、ニードルラインなど一貫ラインの提案を行う。特にニードルラインは最新鋭機の「ハイパーテックス」を紹介。ファメカニカ社の全自動紙おむつ組み立てラインも注目を浴びそうだ。

 ディログループ以外のメーカーでは、エリコン・ノイマグ社の紡糸プロセスやスパンボンド製造機、エデルマン・テクノロジー社の高速スリットワインダー、PSAテクノロジー社のスプールワインダー、IPCO社のダブルベルトプレス機などを紹介する。

 加工機もHIP―MITSU社のホットメルト樹脂によるラミネート機やピラー・テクノロジー社の大気圧プラズマ加工機なども紹介する。デロルコ&ビリアーニ社の繊維端材反毛機「タイタン」などリサイクル関連機械、バルバン・バーリン・システムズ社の無人化を実現する全自動ベール梱包(こんぽう)機など周辺機械もそろえる。

 海外メーカーだけでなく国内メーカーの機種も紹介する。大鳥機工のFBK(積層原綿を一定の厚みで原料を連続供給)、上野山機工のヒートスルー不織布用乾燥機、辰巳エヤーエンジニアリングの耳処理機などだ。

 商社としてユーザーニーズに応える国内外のメーカーの機械をそろえることで、ユーザーの開発や生産改善を支援することを目指す。

〈サンコウ電子研究所/業界最高のシステム紹介/鉄片探知器など中心に〉

 電子応用特殊機器などを展開するサンコウ電子研究所(川崎市)は今回がANEX初出展となる。鉄片探知器を中心に展示を行い、メード・イン・ジャパンによる「業界最高の検針システムを紹介する」と意気込みを示す。

 同社の鉄片探知器は、繊維・不織布などの原材料や半製品、製品の中に異物・危険物として混入した小鉄片(針や針金、ボルト、機器の折損破片など)を生産・検品ライン上で自動探知し、品質管理・機器の保護などに資する高性能・高感度探知装置となる。

 鉄片探知器・検針器のシリーズでは「SK―2200」「SK―12TR」「TY―30」を打ち出す。SK―2200は電極表面の感度アップを実現し、超高感度(同社従来器比10倍)で微小鉄片が探知できる。不織布、フェルト、テキスタイル、カーペット、原反など広幅繊維製品に混入した針、折針、ホチキス針などに応じる。

 SK―12TRはライン中に挿入設置して、テキスタイル、カーペット、布団、毛布、フェルト、不織布、原反といった広幅に混入した、針、折針、鉄片などの探知・検針作業に用いることができる。探知幅は0・5~4㍍(0・5㍍刻み)までの標準器種に加えて任意の長さでも応じる。

 TY―30は金属ボタンを避けた検針や部分的な検針に便利なハンディタイプ。ワイドモード・スポットモード2レンジ切り替えが可能だ。

 そのほかでは鉄・非鉄共用探知の「SC1―600」なども打ち出す。コンベアタイプで、快適な操作性やデータ管理が特長。制御部は日・英・中の3言語に対応する。

〈スパンレース用が好調推移/日本ノズル〉

 日本ノズルは今回のANEXで、スパンレース不織布(SL)用のホルダーを展示するほか、メルトブロー不織布(MB)用装置などを紹介する。

 SL用の販売は水流の直進性や材質の豊富さ、短納期対応を強みに好調に推移する。特に主力の中国や欧州が伸びている。

 足下の受注量は過去最高の水準で、今上半期は前年比30%以上の拡大となる見込み。近年は「耐蝕性」「割れない」などのニーズが高まっているため、新たに2種類の材質の商品を加える予定。

 今後はMB用の拡大も目指す。直進性の良さなどを売りに、ノズルに限らず、MB製造装置としての販売に力を入れる。

〈日本フイルコン/グループの技術結集/製造用ベルトなど提案〉

 日本フイルコンは不織布製造用ベルトの製造・販売を手掛ける企業。創業(1916年)当初は製紙用抄紙網を主体としていたが、70年代に不織布分野に参入する。同社の不織布製造用ベルトはスパンボンド法やメルトブローン法など幅広い製造設備に用いられる。国内シェアは7~8割を誇り、不織布産業とのつながりは深い。

 ANEXには2回目の出展となる。今回は「グループの技術を結集し、不織布業界へのイノベーションを!」をテーマ・コンセプトとした。約50年の実績を持つ不織布製造用メッシュベルトだけでなく、現在の不織布製品に求められている品質や機能、意匠性に対応する製品も幅広くラインアップする。

 スパンレース用柄付きロールカバーは機能性だけでなく、意匠性も付加できる金属製のロールカバー(業界初の製法。特許出願中)。スパンボンド用整流ハニカムフィルターは、スパンボンド不織布製造で重要な冷却風をテーマにした高品質フィルターで、高精度のハニカムを使用して整流度を高めた。

 特許を持つ消臭繊維「アドセップ」も提案する。湿式混合紡糸技術によって生まれた新素材で、汗臭や加齢臭の原因となるアンモニア、酢酸などの臭気成分に対するバランスの良い消臭を実現している。

 ワンバス消臭(一瞬の吸い込みで臭いを除去する力)が特長の一つとなり、活性炭などとの違いを訴える。

 同社は「不織布業界にグループの商品や生産技術を浸透させたい」とし、子会社である関西金網(大阪市浪速区)が製造している高品質金属製フィルターも展示する。日本の不織布メーカーには好評を博しているが、「国内で培った技術を世界へ」を合言葉に海外企業への訴求も強める。

 今後も発展が予想される不織布業界に向けて主力製品であるメッシュベルトを積極的に展開するという軸は変わらないが、市場ニーズに応えるよう、商品開発を継続し、グループ全体で求められる最高の技術を発信していく。

〈カトーテック/衛材評価でダミー人形/尿漏れや拡散の検証に〉

 風合い計測器や試験機製造のカトーテック(京都市)はANEXで紙おむつ・サニタリーの評価用ダミー人形をメインにしながら、新開発による全自動の熱物性測定器などを提案する。

 同社はテキスタイルや衣料品でよく知られるKES(カワバタ・エボリューション・システム)による計測装置を製造販売するが、不織布向けも多い。不織布の中でも自動車資材向けに次ぐ用途に成長し期待するのが衛生材料。

 この衛生材料向けの一つが紙おむつメーカーや関連材料メーカー向けで販売実績を持つ評価用ダミー人形になる。

 乳幼児・大人用ともそろえるこのダミー人形。衛生材料メーカーごとに異なる仕様に対応するため、「ニーズに応じてオーダーメードで生産する」(河内敬執行役員営業部長)体制を敷く。

 独自のノウハウにより、人肌に近い柔らかさや手触りなどをリアルに実現しており、専用試験機にセットすれば自動で歩行運動ができ、歩行時の紙おむつやサニタリー用品の漏れやよれを検証する。立位、ハイハイ、座位、寝位などさまざまな体勢も製作できる。肌色は試験機に取り付ける際に適し、透明タイプは手動での動作試験に向き、真上からの観察で拡散検証ができる。

 ダミー人形は衛材用だけでなく、カーシート座り心地評価やスーツ用着心地評価などもある。

 新開発の熱物性測定機はQ―MAXを自動測定できるもの。タッチパネルで簡単操作が可能で、ANEXに間に合えばラボ機を出品する計画だ。「紙おむつの接触温度を測るにも活用できる」とする。

〈測定器で新タイプ披露/高山リード〉

 織機用リード(筬)製造大手である高山リード(金沢市)はスイスのテクステスト製測定機器などで、不織布メーカー向け販売を強化する。

 同社は二十数年前から海外製測定器や検査システムを輸入販売する。ANEXではテクステスト製測定機器で、従来品「FX3300」の小型版となるフラジール形通気性試験機「FX3340 ミニエアー」とポータブル型の通機性試験機「FX3345 フレックスエアー」を国内初披露する。ともに昨年発売された新商品で、コンパクトなデザインで持ち運びが可能でありながらデータ保存と外部出力、汎用性などの特徴を持つ。

〈高精度スリッター出展/萩原工業〉

 萩原工業(岡山県倉敷市)のエンジニアリング事業部は、扱いが難しいデリケートな産業資材を正確、高精度に切り分けるスリッターを出展する。

 産業資材分野では、液晶用途フィルムや電池セパレーター用の機能紙などシート材の機能集積化が進んでおり、寸法の正確さや切断面の平滑さなど裁断品質が厳しく問われる。さらに裁断時の搬送方法によっては、物性に変化が生じてしまうなど、全般的に精度の高い作業が要求される。

 ANEXに出展する機器は高精度な裁断作業に加え、カットローラー部を本体から分離できる「ユニット方式」を採用。事前準備の時間短縮も見込める。

〈生活資材など視界に/アクシス〉

 ポリプロピレン・スパンボンド(PPSB)不織布を生産・加工するアクシス(東京都千代田区)。主力事業であるスーツ袋、アパレル製品用ショッピングバッグ、寝具用袋などの加工事業に加えて、産業資材・生活資材分野を新収益基盤として育成する方針で、今回のANEXへの出展もそうした狙いがある。

 自社工場でPPSBを生産するが、抗菌性・難燃性を持つ製品やバイオマスタイプ、柔軟性とストレッチ性を備えたタイプなども開発済み。抗菌・難燃タイプは医療施設に用いられるカーテンなどでの展開を想定。世界的にも少ないとされる柔軟性・ストレッチ機能品は重点訴求品となる。