伊藤忠 ブランドマーケティング第一部門/EC事業拡大に本腰/アジア販売も伸ばす

2018年05月16日 (水曜日)

 伊藤忠商事繊維カンパニーのブランドマーケティング第一部門は今年度(2019年3月期)の重点施策に、(1)電子商取引(EC)事業の拡大(2)コロネットの機能強化(3)アジア販売の強化――を挙げる。

 諸藤雅浩繊維カンパニーエグゼクティブバイスプレジデント常務執行役員ブランドマーケティング第一部門長は、現状のEC事業を「ジョイックスコーポレーションで先行している」と説明する。基幹ブランドの「ポール・スミス」がけん引役で、同ブランドのEC売り上げは30億円強、ジョイックスコーポレーションの売り上げに占める比率は11・4%。半分は自社ネット販売で、半分は外部のネット販売サイトによるものという。

 同じくジョイックスコーポレーションが展開する「ヴィヴィアン・ウエストウッド」も10億円強をECで売り上げており、「この二つのブランドの成功を他のブランド、他の事業会社にも広げること」を今年度の重点施策とする。SNS事業への投資も計画する。

 コロネットの機能強化も重要テーマに位置付ける。「インキュベーション機能を持つこの会社をもう一度力強い会社にしたい」とし、在庫のコントロールや収益力が低下する「ランバン」に代わる柱ブランドの創出に力を入れる。

 アジア販売の強化には、中国のアパレル大手、波司登(ボストン)や中国企業傘下のゴルフ用品メーカー、本間ゴルフとの資本提携を活用する。ボストンは昨冬の厳冬で主力のダウンウエアが売れ行きを伸ばして好決算を計上。今後も連携を強めて拡販を狙う。本間ゴルフは売り上げに占めるアパレル比率が5%に満たないことから「チームを組んでアパレル事業を伸ばす」。当面の目標は20%とする。