トンボ/7月から東京支社を本社化/関東に物流センター設置

2018年04月12日 (木曜日)

 学生服製造大手のトンボ(岡山市)は、今年7月1日から東京支社(東京都台東区)を本社化し、岡山本社との両本社制にする。近藤知之社長は、「関東での拡販を強化する」と話し、数年以内に関東へ物流センターの設置も計画する。

 東京支社は従業員が70人おり、売上高は50億円を超える。昨年、首都圏のモデルチェンジ(MC)校獲得を強化するため、東京企画提案部を課から格上げするなど、機能を強化していた。7月からの本社への格上げで「販売、企画の機能も東京本社に持たせる」(近藤社長)ことによって、関東での市場開拓を加速する。

 物流は現状、玉野物流センター(岡山県玉野市)と紅陽台物流センター(同)の2カ所で対応している。東京での売り上げが伸びる中、「タイムリーに供給するためには関東での物流拠点が必要」との認識。拠点を分散することで「不測の事態に備える」ためにも、数年以内に関東で物流センターの設置を計画する。

 物流センターでは「最新の物流設備を考えていきたい」(近藤社長)と、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)の活用を想定。社内にプロジェクトチームを立ち上げ、人手不足を解消するためにもオートメーション化を進める。

 さらに縫製でもプロジェクトチームを立ち上げ、設備メーカーとタイアップして縫製自動化の仕組みの構築を視野に入れる。

 設備投資ではほかにも3億円投資し、トンボ倉吉工房スポーツ館(鳥取県倉吉市)を今年6月20日に竣工(しゅんこう)させる。トンボ倉吉工房スクール館に併設した工場で、スポーツウエアを中心にジャージーの上下物やウオームアップウエアなどを生産。最初は従業員20人、年間2万点の生産量からスタートし、1~2年の間に従業員50人、年間11万点の生産量まで拡大する。

〈今入学商戦/2~3%増収へ〉

 トンボは今入学商戦、新規に100校近くMC校を獲得したことや、スクールスポーツの販売が好調だったことで、前年比2~3%の増収を確保しそうだ。2018年6月期も前期比増収を見込む。

 今年の中高の新入生は6万人減となり、MC校そのものも例年に比べ少なかったが、「私学は生徒が減っていない」(近藤社長)のが実情で、東京、京阪神、名古屋など都市部で売り上げを堅調に伸ばした。

 スポーツは250校を超える新規校を獲得し、「ヨネックス」が120校、残りが「ビクトリー」など自社ブランドが健闘。ウオームアップウエアとして「ピステスタイル」に着目した「ピストレ」の販売も堅調で、100校近く採用があった。