世代間で異なる制服文化/トンボ/「学生服に関する意識調査」実施

2018年04月11日 (水曜日)

 着用制服の種類を性別で比較すると、男女ともに中学よりも高校でブレザーの着用率が高かった。男性では中高を通じて学ラン(詰め襟服)比率が高いが、高校ではブレザー比率が増加。女性は高校のブレザー着用率が、セーラー服の3倍だった。

 学生服製造大手のトンボ(岡山市)が、世代間の「学生服に関する意識調査」を実施した。全国の男女2千人を対象にして、世代ごとの着用制服のタイプや着こなし、制服に対する満足度やイメージなどをインターネットで調査した。同調査は、昨年度の「制服に関する親子間の意識格差」に続く第2弾。

 制服の満足度を性別で比較すると、女性よりも男性の方が高く、中学・高校別では男女ともに、高校の方が満足度は高かった。女性は制服に対し、かわいさや機能性などのこだわりを求める傾向で、ニーズが満たされているかどうかが、満足度にもつながるようだ。

 高校では、その学校らしさ“SI(スクールアイデンティティー)”を、校風や制服などで表現しやすい。生徒の進路選択にもSIが影響し、満足度にも反映している。

 制服の着こなしは、世相が影響した。自分なりのこだわりで制服を着こなした経験は、男性よりも女性が多かった。1970年代の変形制服時代から、90年代の着崩し世代を経て、制服も多様な着こなしへ変化。男性ならではの世代別の特徴として、70年代の“ボンタン”や“短ラン”などの変形学生服。当時は服装の乱れが問題視されたため、改造されにくいブレザー率が高まった。その時に流行したドラマや漫画、アニメなども制服の着こなしに影響している。

 近年増えているのが、「制服ユニバ」「制服ディズニー」といわれる、グループで制服を着てテーマパークへ行くもの。特に女性の現役高校生からの支持率は高く、制服が多様に楽しまれる傾向にあるようだ。全世代平均でも、7割近くが好意的に受け止める結果だった。

 制服はその世代や世相を反映し、着用タイプや満足度、着こなし方も時代とともに移り変わる。時代によって制服の機能やデザインは多様化するが、制服のイメージは“青春”や“学校生活”など、各世代で共通した。