トンボ/17年6月期は増収増益へ/スポーツウエア工場 倉吉に新設

2017年09月11日 (月曜日)

 学生服製造大手のトンボ(岡山市)の近藤知之社長は、2017年6月期連結決算について、「計画に対して若干届かないが増収を確保した。利益については計画通り増益になる」との見込みを示した。6月に営業統括本部を設置するなど組織改編を進め、18年6月期も増収に向け、事業拡大を加速。売り上げが伸びるスクールスポーツウエアでは、来年6月をめどに、トンボ倉吉工房(鳥取県倉吉市)の隣接地に工場新設を計画する。

 17年6月期、学生服は17年入学商戦で100校超のモデルチェンジ(MC)校を獲得した。スポーツウエアも「ヨネックス」、自社ブランド「ビクトリー」合わせて200校以上獲得するなどそれぞれ健闘。ニット病衣の洗濯レンタル向けへの採用が延期されたことで計画よりヘルスケアが伸び悩んだものの、主力3事業とも全て増収を見込む。

 6月に組織改編を実施し、MD本部と販売本部を統合して営業統括本部を設置した。「販売力とMD力を連携させ、商品や企画、販売政策をマッチさせる」(近藤社長)ことで、事業を強化する。販売会社のトンボメイト(名古屋市西区)を合併し、名古屋支店として直接管理して販売を強化しながら、東海地区での売上高を現状の17億円から2~3年後には20億円を目指す。さらに首都圏のMC校獲得強化のため、東京企画提案部を課から格上げした。

 来入学商戦は「全体のMC校は今年の入学商戦に比べて少なく、MC校の獲得は昨年より少なくなる可能性がある」との見通しから、詰め襟服など店頭販売の商品を強化する。

 特にスポーツは専業メーカーの事業縮小もあって、「競合が激しくなる」と予想。美咲工場(岡山県美咲町)に「品質認証課」を設置し、品質管理を徹底していくほか、女子ブレーザーを中心に生産するトンボ倉吉工房の隣接地にスポーツウエア生産の専用工場を、来年6月をめどに新設し、自社の生産比率を高める。

 18年6月期については、10億円以上の増収を計画する。中期経営計画「アクション300」で目標とする19年6月期の売上高300億円について近藤社長は、「厳しい数値であるが、達成に向けた動きを加速していきたい」と話す。